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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十三話 少女たちの挑戦
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とその使い魔さんに協力をお願いしたの」

「あの黒い男が混じってないのは、そういうことと理解していいんですか?」

 柚那ちゃんの質問に私は無言で頷くと、三人とも分かっていたことのように一緒に頷いてくれた。

《あとはみんなの想像の通りだ。 フェイトとの協力は得たとはいえ、なのはやアイツらでどうにかなる相手じゃない。 みんなの力が必要だ》

「小伊坂っ!?」

「お兄ちゃん!?」

「黒鐘、目が覚めたの?」

 ユーノ君と柚那ちゃんが驚く中、いつものペースで質問する雪鳴さんに黒鐘君は頷きながら返す。

「ああ、ついさっきな。 それより、俺はなのはのバックアップに集中するから細かい動きは……柚那。 お前に任せる」

「……え?」

 突然の指名に不意をつかれて、間の抜けたような返事をした柚那ちゃんは、数秒の間を置いて指名された内容を理解し、

「ええっ!?」

 悲鳴に近い声をあげた。

「ちょ、ちょちょ……ちょっと待ってください!? あ、アタシですか!?」

 淡々と指示を出す黒鐘君の声が流れているレイジングハートに顔を近づけると、その光景を察したのか苦笑混じりに返事を出す。

《あ、ああ。 みんなの性格やそこの環境を考えれば、柚那が適任だ》

 私は魔導師としての戦いの回数は少なくて、指示だしなんて到底できない。

 雪鳴さんは口数が少ないから指示が伝わりづらい。

 でも、ユーノ君や柚那ちゃんは頭が良いし、説得力もある。

 それでも黒鐘君がユーノ君じゃなくて柚那ちゃんを選んだのは、きっと柚那ちゃんが持ってる能力がここで重要だから。

「で、でも、私はお姉ちゃんみたいに強くないし、高町さんほど強力な一撃があるわけでも、ユーノさんみたいに多彩な魔法が使えるわけでもない。 なのに……」

 柚那ちゃんは俯き、声は徐々に弱くなっていく。

 きっと私だけじゃなくて、ここにいるみんなが柚那ちゃんは自信がないんだってことが分かった。

 レイジングハートを通して、きっと黒鐘君にも伝わってるはず。

「柚那ちゃん……」

 小さく彼女の名前を口にしたけど、その先が続かない。

 だって柚那ちゃんは、私達に対して劣等感を抱いていたから。

 そんな彼女に『大丈夫』って私達が言っても、それは柚那ちゃんにとって余計な負担になる。

 だから私たちは黙って、彼の言葉を待つ。

《……柚那》

「はい……」

《俺が柚那を頼りにしてるのはな、柚那が一番……俺に似てるからなんだ》

「え……?」

 それは私達も驚いた一言だった。

 なぜ、の答えを黒鐘君が紡いでいく。

《姉がいて、姉に悩まされてさ、姉に劣等感を抱いている所って結構似てる
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