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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十三話 少女たちの挑戦
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竜巻というより、分厚い壁にぶつかってるような衝撃と硬さだけがハッキリと両手に伝わってくる。

《なのは、無理だと思ったらすぐに引くべきだ。 ユーノたちの到着まで持ちこたえればいい》

「ううん、大丈夫!」

 黒鐘君の心配する声が聞こえるけど、私には確信があった。

 確かに竜巻は硬いけど、もう一歩踏み込めば壊せる自信があった。

「はぁああああああっ!」

 魔力の放出量を増やし、分厚い壁を押すように、レイジングハートをさらに前に突き出す。

 叫びながら放つ砲撃は竜巻に亀裂を入れていき、そして、竜巻の一つを消し飛ばした。

「はぁっ、はぁっ……」

 放ち終わったと同時に全身から熱が抜けていく。

 息が切れてきたけど、魔力も体力もまだ十分残ってる。

 ほんの少しだけ無理をしたけど、そのおかげで一つだけど竜巻を破壊できたからOKかな?

《防御の上から叩き落とすとか……なのは、お前けっこうな無理をしてるぞ?》

「にゃはは……少しだけ、だったんだけど」

《まぁいい、結果オーライだ。 まだ残ってるんだ、油断するなよ?》

「うん!」

 力いっぱいに頷いて、レイジングハートを握り直した私は、金髪の女の子のもとへ向かった。

 あの子とお話したい気持ち半分、この状況を一緒にどうにかしたい気持ち半分で迫ると、その子は少し驚いて、警戒した様子で私と距離を取った。

「……なに?」

 警戒心からだと思うけど、少ない言葉で睨みつけてきた。

 私は怖がられないように笑みを見せて、彼女の瞳を見つめながら話した。

「一緒に戦って欲しいの。 私も、あなたも、一人じゃ勝てないから」

「……」

 彼女は無言で私を見つめながら考えているようだ。

 それは数秒のことだけど、状況は刻一刻と変わっていた。

「フェイトっ!」

「っ!?」

 彼女の仲間のオレンジ髪のお姉さんの大声に反応して振り向くと、私達に向かって竜巻から放たれた無数の水の鞭が迫っていた。

 私はすぐに彼女の前に移動して、左手を前に突き出しながら言い放った。

「プロテクション!」

 その一言で左手の先に分厚い魔法陣の盾が生み出されて、迫る攻撃を弾いていく。

 衝突の度に始める水しぶきと暴風、そして両手が痺れるほどの衝撃が襲いかかってくる。

 なんとか防ぎきってほっと一息つくと、私はすぐに彼女のほうに向きなおした。

「お願い、力を貸して!」

 声を張り上げて必死に伝えて、彼女はようやく首を縦に振ってくれた。

「うん……分かった」

「ありがとっ!」

 私と彼女の意思が重なった喜びもつかの間に、再び竜巻から放たれる暴風と水の鞭。

 今度
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