第4章:日常と非日常
第122話「秘めていた怒り」
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が、変化していく。
その感情は―――
「(…やっと気づいた。ずっと彼に抱いていた感情。…それは…)」
―――……“怒り”だ。
ドンッッ!!
「……おいおい…」
司を中心に立ち上る魔力を見て、優輝は顔を引き攣らせる。
「…なんなんだ、あれは…」
「…私達も見るのは初めてよ。…でも」
「司が…あいつがキレるのなんて、前世でもほとんど見なかったぞ…」
「感情でも左右されるのが天巫女の力…そう言う事なのか…」
優輝の言葉に、クロノはすぐに理解して納得する。
「ちょっとした油断による隙を突かれたようだけど…止める準備を始めておくか」
「そうね…。奏」
「分かったわ」
まるで勝利を確信したかのように、後で止めるための準備をする優輝。
「…止める準備をする程なのか…」
「まぁ、あいつが司の逆鱗に触れたのが悪い」
映像では、司の様子に驚いた神夜が、見えない何かに吹き飛ばされていた。
「あれは…!」
「司の姿をした暴走体がやっていた圧縮障壁に似ているな」
「うーん、溜め込んでいたんだろうねぇ、司ちゃんも」
=司side=
「っ……!?」
「………」
“ゆらり”と立ち上がる。
体中に走る痛みは、“祈り”の力で一時的に遮断し、一気に治す。
「司……!?」
「…もう、いい加減にしなよ」
―――“吹き飛べ”
手を翳し、感情を込めてそう呟く。
…瞬間。
「がっ…!?」
「……」
彼は吹き飛ばされる。
普段は術式などに通したり、集中させる魔力。
それを圧縮に圧縮を重ねるように小さく固め、衝撃波として撃ち出す。
感情を利用した天巫女の力。それは圧縮した魔力による衝撃波だ。
その力は彼の…あいつの防御力も貫く代物だ。
「何が……!?」
「…ずっと、秘めていた…。しがらみがあったから、抑え込んできた。…でも、もう抑える必要はないよね?」
いつもの私しか知らない人が見たら、驚くだろうね。
…だって、今の私は明らかにあいつを“見下している”表情なのだから。
あ、でも優輝君は前世の時に見た事あったね。…今はあんまり見せたくないなぁ。
やっぱり恥ずかしいし…。…と、それは今は置いておこう。
「…司…?」
「…だって、いつまで経っても反省しないんだもん。誰かが忠告をしても、自分は正しいの一点張り。……ああもう、本当に……」
戸惑うあいつ。今はそれさえも忌々しく
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ