第4章:日常と非日常
第122話「秘めていた怒り」
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必要で発動までタイムラグがある。それが強力であるほどね」
「前衛との一騎打ちでは相性が悪く、司自身も神夜には勝てないとか以前は言っていたが…大丈夫なのか?」
優輝とアリシアの言葉に、クロノが少し心配する。
だが、その瞬間にトレーニングルームで爆音が響き渡る。
「なに…!?」
「司だって、僕らと一緒に色々特訓してきたんだ。ましてや、今の司はその“以前”と違って、前世でのしがらみはない。…対策をしていないとでも?」
そう言う優輝の視線の先では、司が神夜を弾き飛ばしている様子が映っていた。
「なっ…!?」
「…うーん、やっぱりこれじゃダメージは通らないか」
速攻で仕掛けたと思えば、爆発で攻撃が阻まれ、視界が遮られている内に弾き飛ばされるような衝撃を受け、神夜は混乱していた。
「早い……!?」
「……?あー、もしかして速攻で仕掛ければ魔法を発動できないと思った?言った所で変わらないからネタばらしするけど…試合開始前から勝負は始まってるよ?」
タネは単純な事だった。
司は試合開始の合図の前から既に魔法を用意していた。ただそれだけである。
「こういった戦闘において、戦闘直前や会話…それら全ては戦術に組み込める。経験豊富なら分かる事だよ?多分、ヴォルケンリッターの皆も理解できるんじゃないかな?…これは、決して“卑怯”ではない事ぐらいは」
「っ………!」
優しい司からは想像できなかった戦法…そう神夜は思った。
だが、司にとってはこれも立派な“戦法”としか思っていない。
「…まぁ、これは模擬戦と言うより決闘だから、シグナムさんやヴィータちゃん辺りはちょっと納得がいかなさそうだけど。……それより、今もじっとしてていいの?」
「……!」
瞬間、神夜を囲うように魔法陣が出現する。
即座にその場から離脱し、回避するが…。
「魔槍よ、刺し貫け…!」
―――“ゲイ・ボルグ”
事前に用意していた魔法で転移し、強力な突きが司から放たれた。
「ぐぅっ…ぁあああっ!?」
「まずは洗礼としての一発。これで目が覚めたでしょ?私だからって遠慮してると、あっさり負けるよ?」
アロンダイトで防ごうとし、そのまま神夜は吹き飛ばされる。
それを敢えて追撃せず、司は神夜がしていた“遠慮”を指摘した。
「っつぅ…!いつの間に、こんな強く…」
「いつの間にって言われても、最近は全力で戦う機会が少なかったからそう感じるだけじゃない?この前の戦闘は全力を出し切れなかったし」
以前戦った正体不明な男との戦闘では、攻撃が通じないのもあって司は全力を出し切る事が出来ていなかったのだ。
「…だけど、強くなった
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