第4章:日常と非日常
第122話「秘めていた怒り」
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=out side=
「…………」
「………」
模擬戦を行うトレーニングルーム。そこで神夜と司が対峙する。
それを、観客室から全員が見守っていた。
「……ねぇ、優輝」
「どうした?アリシア」
戦いが始まる前に、アリシアが優輝に尋ねる。
「司…勝てるの?」
「…そうだなぁ…」
努めて演技がばれないようにしながら、優輝は考える。
優輝でさえ、神夜と戦ったのは過去に行った時を含めてもたった二回だ。
しかも、その時より何年も経っている。細かくは分からない。
「…魔力だけなら苦戦するだろうな。霊力があれば楽勝だろう。…まぁ、数年前の力量からの推測だけど。予想以上にあいつが強くなってたらわからん」
「そっかぁ…。まぁ、霊力があれば楽勝であれば、司なんだし大丈夫かな」
「僕もそう思う」
元から誰からも信頼度が高い司は、きっと負けないだろうと信頼されていた。
また、優輝にとっては一緒に鍛えた際に強くなっていたという信用もあった。
「(…それはそうと、随分と急な決闘な上に、あっさりと司に誘導されたよなぁ……。やっぱり、それだけ精神的に追い詰められてるんだろうな)」
本来なら受けずで適当にはぐらかすつもりだったが、優輝もクロノと同様に一度望みを叶えさせた方が諦めもつきやすいと考え、決闘を受けようとしていた。
尤も、それは司が代わりに受けたが。
「……先に言っておくけどね、私は…ううん、私を含めた皆は、別に優輝君に騙されている訳でもないし、ましてや洗脳されてる訳でもないよ」
「そんなはずない…!自覚がないだけだ…!」
「…まぁ、言っても意味がないのは分かってたけどさ」
相変わらずな神夜の反応に、司は軽く溜め息を吐く。
「今まではぐらかしてたけどね、優輝君とは前世からの親友なんだ。彼の為人は、人一倍理解していると自負しているよ。その上で言わせてもらうけど…いい加減、私の親友を悪く言わないで」
「っ……!?」
『始め!』
普段の司からは考えられないような、凄みを利かせた声に、神夜は驚く。
同時に、試合開始の合図が響き、神夜は動き出した。
「(司の魔法は強力であるほど“溜め”がある!早い魔法なら効かないから、速攻で攻める!)」
「っ……!」
動揺したとはいえ、神夜も強者の部類に入る人間。
即座にどう行動するべきか判断し、速攻で司へと仕掛けた。
「…まぁ、あいつもそれなりにやるからな。司の特徴ぐらいは気づいているか」
「司の…と言うより、天巫女の特徴だね。祈祷特化型だから、“念じる”事が
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