652部分:第五十一話 孫尚香、立ち上がるのことその一
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第五十一話 孫尚香、立ち上がるのことその一
第五十一話 孫尚香、立ち上がるのこと
「胸がない人達のですか」
「はい、そうらしいですよ」
周泰にだ。呂蒙が話していた。今二人は揚州の官邸において話しているのだ。
「曹操さんのところでそんな話をしていたそうです」
「何か変わった話ですね」
呂蒙はその話を聞いて首を捻るのだった。
「けれどそれは」
「そうですよね。いいお話ですよね」
「胸は。私も」
呂蒙は困った顔になっていた。
「自信がありませんし」
「私もですよ、それは」
周泰は呂蒙以上にそうした顔になっていた。
「胸のことになると」
「どうしてもですよね」
「胸はなくてもいいと思います」
周泰の言葉は意固地なものさえあった。
「そんなもの。なくても別に」
「私もそう思います」
その考えは呂蒙も同じだった。
「けれど揚州は」
「言えないですけれどね」
「どうしても。それは」
「言えるわよ」
しかしここでだ。二人のところに孫尚香が来た。そうしてその二人にあらためて言うのだった。
「胸なんてね、別になくてもね」
「小蓮様」
「おられたのですか」
「今この部屋の前を通り掛かったのよ」
そうだったとだ。二人に話すのだった。
「そうしたらあんた達が胸のことを話しているのが聞こえたのよ」
「すいません、下らない話をしていまして」
「今止めますので」
「いいわよ。私だってそうだし」
ところがだ。孫尚香はその話を制止しなかった。それどころかだ。
二人に対してだ。こう言うのであった。
「それでだけれどね」
「はい、それで」
「何なのでしょうか」
「胸なんてなくてもいいのよ」
彼女もこの意見であった。
「別にね。それはね」
「それはですか」
「そうなのですか」
「そうよ。胸なんてどうでもいいのよ」
孫尚香の言葉はさらに強いものになる。
「っていうか何よ。あっても邪魔でしょ」
「それは」
「何といいますか」
「大体ね、姉様達にしても」
まず指摘するのは二人の姉達であった。
「冥琳様にしても」
「あの方は特に」
「凄いですよね」
「穏もね」
陸遜もであった。
「お化けみたいな胸持って。何だってのよ」
「それで許昌で」
「胸のない人達が集まっていたそうでして」
「そうみたいね」
孫尚香はこのことも知っているのだった。話を聞きながら頷いた顔であった。
「面白い集まりじゃない。シャオそれに大賛成よ」
「大賛成とは」
「それでは小蓮様は」
揚州の貧乳組は孫尚香の言葉に顔を向けた。
「この揚州にですか」
「その貧乳の同志達を集めて」
「そうよ。やってやるわよ」
はっきりとした顔での言葉だった。
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