15. 二人だけの夜(2)
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を包み込む。
「そっか……あたいとゆきおは、二人で一人かぁ……」
「うん」
「んじゃ……あたいら、ずっと一緒にいなきゃ……な……」
「うん」
気のせいか……久々に心から安心して、瞼が重くなってきたような……
「ゆきお……」
「うん?」
「ありがと……あたいと、いっしょに……いてくれて」
「んーん。僕と涼風は、ケフッ……二人で一人だから」
心地いい……ゆきおの声で聞く『二人で一人』が、こんなに心地よい言葉だとは思わなかった。その言葉は、私の耳と心に心地良い感触を与え、そして私の眠気をさらに加速させた。
「そっかぁ……ゆきおとあたいは……」
「涼風?」
「二人で……へへ……一人かぁ……」
「眠い?」
『うん』と言う最後の気力が沸かなくて、私はほんの少しだけうなずき、あたたかいゆきおの手を握った。ゆきおの胸に頬を寄せ、ゆきおの優しい胸の音を聞きながら、私は重い瞼に抗わず、少しずつ少しずつ、外の世界を遮断していった。
「……おやすみ。すずかぜ」
まるで子守唄のように優しく、そして聞くだけで胸がいっぱいになる、ゆきおの『おやすみ』。私は、その優しい声を聞き、優しい温かさに全身を包まれ、安心して眠りについた。
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