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SAO−銀ノ月−
心中
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の服用者たちは、すぐさまアカウントを削除されてしまうことだろう。

 ……ただのアカウント削除では、彼女を止めることは出来ない。それではただ、この世界から彼女を追い出すだけに過ぎないからだ。

「ちょうどいい機会なんだ。俺は……いや、『ショウキ』は、死ぬべきなんだ」

「でも、それじゃ……」

「もちろん、その前にリーベは止める。セブン……その三日、あいつを止めるために使わせてくれ」

 リーベを始めとするプレイヤーたちを運営の手で消そうとすれば、連動してデジタルドラッグと同じ反応を示す俺も共に消されてしまう。それをリーベが何を想定して仕組んだかは分からないが、心中するならば上等だとばかりに、抗弁しようとしたリズに先んじてセブンに語りかけた。『死銃』をあのデスゲームにまだ囚われている亡霊などと評したが、それはあの時のアバターを使っている俺もまた、リーベと同じく同様に亡霊だったらしく。

「……頼む」

「セブン、俺からも頼む」

「……分かったわよ。ううん、正直に言えばよく分からないけど……三日後に、このデータは運営に渡すから」

「ああ……」

 亡霊ならば亡霊どうし、せいぜい心中程度は役に立てるだろうと。すでに《SAO》の時のアバターを削除しているキリトは何か思うところがあったのか、キリトとともにセブンに重ねて頼み込めば、彼女は観念したかのように呟いた。ただしリーベたちの解決に動くということは、セブンがデータを解析する時間はなくなるということであり、俺のデータの死は避けられない。そう言外に問いかけてきたセブンの問いに、頷きとともに礼を言おうとすれば。

「分からないわよ!」

「リズ……」

「約束したじゃない。一緒にリンダースに帰ろう、って……なんでそれが、あんな奴のために……!」

 ――痛烈な言葉がリズから放たれる。彼女の言葉は一から十まで正論であり、本当ならこの世界までストーカーしてきた、あの狂った踊り子を相手にする必要などない。セブンにデータの解析を頼んでバグを解除してもらい、悠々とデジタルドラッグに関わる俺以外のプレイヤーを運営に削除してもらえば、それだけでハッピーエンドに違いない。

「俺があいつを止められなかったせいで、他の人間が死んだんだ……!」

「ッ――」

 しかし、それでも。あの死銃事件の折りに《GGO》で彼女を止められなかったばかりに、死銃の被害は拡大してしまったのは事実で。その被害者の為にも、俺にはリーベを止める義務があるのだ――と、反射的に立ち上がりながらリズを怒鳴りつけてしまう。すると視界には彼女の泣き顔が入って、ばつが悪くなってすぐさま視線を逸らしてしまう。

「……悪い。でも……ごめん」

「謝りすぎてワケが分かんなくなってるわよ。でもね、こ
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