第一章 ハジマリ
第23話 サッカーバトル
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して突然現れた少女だった。
「確か……アルちゃん……だっけ? 昨日も空から降ってきたような……」
そう、眉を下げ苦笑するフェイの言葉に「覚えていてくださったんですか!」と無邪気に笑う彼女の表情は
目の前のスキア達や世界とは正反対な程に明るく、眩しいモノだった。
「おやおや……これはまた、ずいぶん個性的な方ですね。お友達ですか?」
尋ねられた言葉に「いえ」と返すと、アルはスキアの方に身体ごと向き直り話し始めた。
「私は実況者『アル』と申します! サッカーバトルと聞いて、急いで駆け付けて来たのです! 今回のサッカーバトルの実況、ぜひ私にお任せください!」
「実況ですか……別に構いませんが……」
突然の提案に、さすがのスキアも困惑の声を漏らすも、表情だけは崩す事無く笑顔を浮かべる。
昨夜のカオスの様に感情をすぐ表に出さないだけ、スキアの方が大人なのだろうか
……逆にそれが、フェイ達の警戒心を強める要因ともなっているのだが……
「では! これより、5対5のサッカーバトルを開始いたします! ルールは二点先取。サッカーバトルなので、オフサイド等の面倒なごたごたは無しでよろしいですね?」
アルの説明に双方が承諾の声を発する。
両チームの承諾も受け、早速バトルを開始しようとした矢先、持っていたデジタル端末を見たアルが「あの」とフェイの方へと話しかけ始めた。
「チーム名は【テンマーズ】と言う事ですが……キャプテンである松風選手がいませんよ?」
「これではバトルを開始出来ません」と言うアルの言葉を受け、フェイが「あ、そうか」と目を瞬かせた。
「天馬がいないと自然的にキャプテン不在になっちゃうのか……」
「じゃあ、フェイがキャプテンをやれば良いんじゃない?」
「え、ボクが?」
アステリの提案にフェイが間抜けな声を上げる。
続いて傍にいたワンダバも「そうだな」と同意の声を上げた。
「デュプリの操作で大変だとは思うが、入ったばかりのアステリ君に任せる訳にもいかないしな……」
「ごめんねフェイ……キミに全てを背負わせてしまう形になってしまって……」
アステリの申し訳なさそうな言葉に「大丈夫だよ」と笑うと、「分かった」とワンダバから黄色いキャプテンマークを受け取り左腕に付けた。
(天馬のチームだからテンマーズだったのに、これじゃあ"フェイーズ"だなぁ)
そう一人、苦笑いを浮かべると傍にいたアルに準備が完了した事を告げた。
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