(原作)ヘンゼルとグレーテル(アレンジ少々アリ)A
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きゃ。
今度こそ、帰り道の分からないほど深い森に連れて行く。そうしないと、私たちおしまいよ』
これを知ったヘンゼルは、二人が寝るのを待って、小石を拾いに行こうとしましたが継母がドアに鍵をかけてしまい、外へでることもできません
それでも、ヘンゼルは泣いているグレーテルをなぐさめるためにこう言いました
「ないたりしちゃだめだよ。神様はきっと、僕たちを守ってくださるから。さあ、お休み」
二人は仲良く同じベットで眠りにつきました
次の日、朝早くやってきた継母はこの前のときよりずっと小さい一切れのパンを渡すと、森へ急がせました
行く道々、ヘンゼルは時々、立ち止まって後を振り返り、そのたびに、ポケットの中のパンを千切って地面へ投げました
『ヘンゼル、どうして立ち止まっては振り返るんだね?』
「ああ、僕、こばとを見ているんだ。
僕のこばとは屋根にとまって、さよならを言おうとしているんだもの」
ヘンゼルが言うと、横から継母が口を挟みました。
『馬鹿だね、あれはこばとなんかじゃない。屋根の上の煙突に指しているお日様よ」
それでもヘンゼルはパンがなくなるまで、次々土地面へ投げ続けました
継母は、子供たちを今まできたこともない森の奥へ連れて行き、前と同じように、大きなたき火をさせました
『お前たち、ここに座っておいで。疲れたら少しぐらい眠ってもいいよ。
お父さんとお母さんは、木を切りに言ってくるから。仕事がすんだら、迎えに来るからね』
二人は、一切れのパンを分け合って食べ、それからまた眠り込んでしまいました
夕方が着ても、子供たちを迎えに来るものはいませんでした
二人は、夜中になって、やっと目を覚ましました
「お月様が出たら、僕の投げてきたパンくずが見えるからね。
そうすれば、ちゃんと帰り道を教えてくれる」
月が昇ると二人は歩き始めました。
でも、どうしたのか、パンくずはどこにも見当たりません
「大丈夫。きっと見つかるよ」
ヘンゼルはグレーテルを励ましました
いくら歩いても、やっぱりパンくずはありません。なぜなら、森や野原の鳥たちがひとつ残らずパンくずを食べてしまったからです
ふたりは夜じゅう歩き続けました
次の日も、朝から晩まで歩きましたがついに森からでることはできませんでした
道ばたで見つけたいちごのほかは、何一つ食べるものがありません
空腹とつかれのため、一歩も進めなくなり、木の下へ倒れこむと、たちまち眠り込んでしまいました
また歩き始めましたが、ますます森の奥へ入り込むばかりです
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