(原作)ヘンゼルとグレーテル(アレンジ少々アリ)A
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「よいしょ…よいしょ…バレないように…コッソリと」
上着のポケットに詰め込めるだけの小石をひろい、部屋に戻りました
「グレーテル、安心して。神様はきっと、僕たちを守ってくださるよ」
次の日の朝、また太陽が昇っていないのに継母がやってきて、ヘンゼルとグレーテルをたたき起こしました。
『さあ、起きるんだよ。この怠け者たち。みんなで森へ薪を取りに行くんだから』
それから、ふたりにそれぞれ一切れずつのパンを渡していいました。
『このパンは、お前たちの昼ごはんだからね。決してお昼前に食べるんじゃないよ。
もうこれっきりだということを忘れるんじゃないよ』
四人はそろって、森の中へ入っていきました
しばらく行くと、ヘンゼルは立ち止まって、家の方を振り返りました。同じ事を何度も続けるので、お父さんが尋ねました
『ヘンゼル、どうして何度も振り返っているんだい?』
「ああ、僕、白い猫を見ているんだ。
僕の猫は屋根の上に座って、さよならを言おうとしているんだもの」
と、ヘンゼルが言いました
でも、本当はヘンゼルは猫を見ていたのではなく、立ち止まって振り返るたびに、ポケットから小石をひとっだし、道に投げていたもです
森も奥に来ると、お父さんが言いました
『お前たち、ここでたき火をするから、薪を拾っておいで』
「「はーい」」
ヘンゼルとグレーテルは薪を拾い集め、山のように積み重ね、薪に火がつき、炎が高く燃えがりました。
二人は長く座っているうちに疲れてしまい、居眠りを始めたかと思うと、そのままぐっすりと寝込んでしまいました。
目を覚ましたときには、もうあたりは真っ暗でした。
「どうしたら森から出られるの……」
グレーテルが泣き出しました
「もう少し我慢して。ちゃんと帰り道が分かるから」
まもなく満月が昇り始めました
ヘンゼルは、グレーテルの手を引いて歩き始めました
投げておいた小石が銀貨のように光って、二人の行く道を教えてくれました
二人は夜中じゅう歩き続けて、夜明けとともに家へたどり着きました。
『まったくじょうがない子達だね。どうしていまごろまで森で寝ていたのさ。
お前たちはもう、家に戻りたくないのだと思っていたよ』
家へ戻ると継母が残念そうに出迎えました
そんなことがあってまもなく、継母がお父さんに話す言葉を、またも子供たちが聞いてしまったのです
『もう何もかも食べつくしまったわ。残っているのはパンが半分だけ。
どうしてでも、子供たちに出て行ってもらわな
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