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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
649部分:第五十話 タムタム、子供を可愛がるのことその八

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第五十話 タムタム、子供を可愛がるのことその八

「あまりにも無理があり過ぎて」
「無理なのか」
「悪いけれどね」
 申し訳なさそうな顔でタムタムに話すのだった。
「それはね」
「それはなのか」
「他のことはね」
 ここでだった。神楽は話を変えてきたのだった。そうして言うのだった。
「信じられるわ」
「信じてくれる、タムタムを」
「悪人では絶対にないわ」
 神楽の言葉がしっかりとしたものになった。
「仮面の奥のその目を見ればね」
「わかるのか、タムタムのこと」
「ええ」
 その通りだというのだった。
「わかるから」
「それはいいこと」
 タムタムの声にも明るさが戻った。
「タムタム信じてもらえる。嬉しい」
「私だって人を無闇に嫌ったりはしないわ」
「そうなのか」
「タムタムもチャムチャムも。これから宜しくね」
「こちらこそ」
「宜しくね」
 タムタムだけでなくチャムチャムも神楽のその言葉に応える。
「それでさっきのバナナは」
「まだあるかな」
「バナナ?」
「そう。タムタムバナナ大好き」
「僕もね」
 それは二人共であった。
「バナナがあれば幸せになれる」
「美味しいよね、あれ」
「バナナだったら」
 バナナについては馬岱が答える。
「私が持ってるけれど」
「本当か!?」
「持ってるの」
「うん、それに」
 ここでだった。馬岱は前を指差した。するとそこには。
 木があった。そしてそれにだ。バナナが房になって数えきれないだけ実っていた。
 そのバナナ達を指差しながらだ。馬岱は二人にさらに話す。
「あそこにあれだけあるし」
「むっ、多いな」
「そうね。一杯あるね」
 二人もそれを見て言う。
「あれだけあれば」
「皆お腹一杯に食べられるよ」
「うん。じゃあ採りに行く?」
「タムタムが行く」
「僕もね」
 兄妹で同時に名乗りを挙げるのだった。
「皆そこで待っている」
「そうしたらいいよ」
「えっ、お二人がですか」
「お二人だけで」
 孔明と鳳統は二人の申し出に申し訳なさそうな顔で返した。
「あの、それは」
「私達もいますから」
「いい。気にしない」
「あんなのすぐに簡単に取れるからね」
 だが、だった。二人は気さくに返すのだった。
「すぐに終わる」
「じゃあ行って来るからね」
 こう言ってだった。二人は跳びそれぞれの得物を使ってだ。全てのバナナを瞬く間に切り取りそのうえで両手に抱えてだ。一行の前に出してきたのだ。
「じゃあ食べる」
「すぐにね」
「ううむ、凄い跳躍だな」
「そうね」
 関羽と黄忠は二人のその運動神経に注目していた。

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