648部分:第五十話 タムタム、子供を可愛がるのことその七
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第五十話 タムタム、子供を可愛がるのことその七
「ええと、誰か。何か白い髪で褌の人に聞いたけれど」
「白い髪で褌!?」
「凄い格好ですよ、それって」
軍師二人はその姿を聞いたうえで首を傾げさせた。
「男の人ですよね、その人って」
「そうなんですか?」
「そうなの。燕みたいな服着てそれでお髭も生やして」
チャムチャムはこう話していく。
「その人から聞いたけれど」
「ううん、何か凄い人みたいです」
「人間なんでしょうか」
「多分そうだよ」
チャムチャムの言葉だけが素っ気無い。
「だってちゃんと手足が二本ずつあって」
「あの、それだけじゃ」
「あまり断定は」
「目と耳も二つずつでお鼻とお口があって五体しっかりしてたわよ」
「それだけで人間とは言えませんよ」
「他の生き物かも知れません」
「それで人間の言葉喋ってたし」
チャムチャムと軍師二人のやり取りは見事なまでに噛み合っていなかった。しかしそれでもそのやり取りは続くのだった。
「絶対に人間だから」
「そうなんでしょうか」
「本当に」
「そうだよ。大丈夫だよ」
チャムチャムは根拠のない太鼓判を押した。
「だからね。その人がね」
「その人が?」
「何と仰ってたんですか?」
「タム兄ちゃんの身長は二メートル八十八」
まずは身長からだった。
「それでウエストは三十三センチで」
「えっ!?」
それを聞いてだ。神楽が眉を顰めさせた。
「それ本当なの!?」
「うん。体重は五十五キロだって」
「有り得ないわ」
神楽はチャムチャムの話を聞き終えて呆然となって話した。
「そんなスタイルって」
「ないの?」
「絶対に有り得ないわ」
実際にタムタムのその長身と細い腰を見て話す。
「人間の身体じゃないわよ、絶対に」
「タムタム人間」
そのタムタムが神楽に言ってきた。
「それ間違いない」
「けれど。人間の身体にはとても」
「信じる。タムタム人間」
本人はあくまで主張する。
「信じて欲しい」
「ううん、けれど」
「あの、そんなにですか?」
「タムタムさんって有り得ないんですか」
孔明と鳳統は怪訝な顔になって神楽に尋ねた。
「腰と体重が」
「そこまで」
「身長もだけれどね」
神楽はそれについても話した。
「どういった身体の構造なのかしら」
「だから普通の身体」
本人の主張は変わらない。
「それ信じる」
「ううん、それはかなり」
無理があると。神楽は腕を組んで怪訝な顔になって話す。
「無理があるけれど」
「タムタム悲しい」
実際にタムタムの言葉にそうしたものが宿った。
「神楽信じてくれない」
「それだけは」
どうしてもという彼女だった。
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