ペルソナ3
1794話
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か?
もしくは、単純にゆかりがペルソナに覚醒したばかりで、まだ完全に使いこなせていないという可能性もあるだろう。
幾つか考えられる可能性を口にすると、ゆかりは難しそうな表情を浮かべる。
「ペルソナに覚醒したのに、それを使いこなせないなんて……」
「いや、寧ろ今日覚醒したばかりで、それを自由に使いこなせると考える方がどうかと思うけどな」
「それは……」
「それがどのような力であれ、使いこなすのに時間が必要になるのは当然だろう? 勿論、持っている才能とかセンスによって、習熟するまでに必要な時間は大きく変わってくるけど」
「……そう、ね」
ゆかりも俺の言いたい事は分かったのだろう。
それ以上は不満を口にしない。
そんなゆかりを見ながら……だが、ゆかりがペルソナを使いこなせるようになるまでは、独力だと難しいだろうというのは容易に想像出来てしまう。
となると、やっぱりペルソナ使いから教えて貰う必要があるんだろうが……さて、そうなると。
「ゆかり、お前がペルソナを自由に使いこなせるようになるには、誰かから教えて貰う必要がある。そして、現在俺が知っているペルソナ使いは3人」
その言葉に、ゆかりの表情は微妙に嫌そうなものに変わる。
それが何を意味しているのかは、考えるまでもない。
ゆかりは、何故か桐条グループを嫌っている。
そしてペルソナ使い3人の中には、桐条美鶴の姿がある。
「まぁ、ゆかりが桐条嫌いなのは分かってるから……」
「別に、嫌いって訳じゃないわよ。ただ、ちょっと苦手なだけで」
視線を逸らしながら告げるゆかりだったが、俺はそれをスルーしながら言葉を続ける。
「つまり、ゆかりがペルソナ使いとして頼る事が出来るのは、真田か荒垣のどちらかになる訳だ」
「……真田先輩は、ちょっと……」
「だろうな」
ゆかりの言葉に、当然だろうと頷く。
以前、ゆかりは真田が非常に人気のある男だと言っていた。
そんな中で、ペルソナという人に言えない能力について真田と協力関係になれば、他の生徒達に疑いの視線を向けられる事になるだろう。
ましてや、何故急に仲良くなったのかと言われても、まさかペルソナについての修行の為ですなんて言える筈もない。
結果として、疑惑が疑惑を呼ぶ事になる。
特にゆかりは月光館学園でも美人として有名だ。
本人にそこまでの自覚があるのかどうかは分からないが、ともあれ、そんな状況を考えるとやっぱり色々と面倒な事になるのは間違いない。
ただでさえ、学校の外に彼氏がいるという事で、色々と有名になっているのだから。
……まぁ、その辺りは俺が意図的に面白おかしく広めたりした結果なのだが。
うん、今更ながらちょっと失敗したかも? と思わないでもない。
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