ペルソナ3
1794話
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「あの死神と遭遇したのは色々な意味で不運だったが……必ずしも不運だけって訳じゃなかったな」
「え? どういう事?」
本気で分かっていないといった様子のゆかり。
……まぁ、普通に考えて、あの死神と遭遇したのが不運ではなかったと言われても、とてもではないが納得出来ないだろう。
実際にあの死神を見たのであれば、尚更だ。
だが、俺は別におべんちゃらとしてそのような事を口にしている訳ではなく、実際にそう思っている。
「忘れたのか? あの死神の攻撃を受けそうになった時、ゆかりはペルソナと思しき能力を発動させただろ?」
俺自身、本当の意味でペルソナという能力を見た事がある訳じゃない。
だからこそ、ゆかりが出した牛の頭蓋骨に鎖で縛られている女がペルソナなのかと言われれば、確実にそうだとは言えない。
だが、あんな妙な現象を見せた以上、恐らくあれこそがペルソナなのだろうというのは、容易に想像出来る。
「ペルソナ……あの時のが、ペルソナ?」
「さて、どうだろうな。何しろ、俺は本物のペルソナってのがどんな能力なのか分からないし。……取りあえず、使えるかどうか試してみたらどうだ? あ、出せるのか? あの死神の攻撃を食らって霧散してたけど」
ペルソナというのが、どういう性質を持つのかは、俺には分からない。
だが、もし命があるのであれば……最悪、ゆかりのペルソナはあの死神によって殺されてしまったという可能性がある。
だとすれば、ペルソナに目覚めた瞬間にペルソナを失ってしまった……って事になりかねない。
しかし、ゆかりはそんな俺の心配を全くしていない様子で目を閉じる。
自分の中にある何かと話をする、もしくは確認するようにしながら、やがて目を開いて、俺の方を見てくる。
「大丈夫、まだ私のペルソナ……イオはいるわ」
どうやら大丈夫だったらしい。
その事に安心していると、やがてゆかりは集中した様子で再び口を開く。
「イオ! ……あれ?」
ゆかりのペルソナ……イオとかいう名前らしいが、ゆかりが出そうとしても出てくる様子がない。
首を傾げ、更に繰り返すようにイオ、イオと何度も口にするゆかりだったが、相変わらずイオとかいう、あの牛の頭蓋骨の上に乗った女の姿が出てくる事はない。
「……なぁ、本当にそのイオ? とかいうペルソナ? は身につけたのか?」
「と、当然でしょ! 私の中にあるのが、しっかりと分かるもの。けど……え? 何で? 何で出てこないの?」
分かっていた事ではあるが、どうやらゆかりが嘘を言っている訳ではないらしい。
となると、考えられる可能性としては、イオが死神に殺された……いや、撃破された影響で出てくる事が出来ないとか、魔力……いわゆるMPが足りないとか
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