暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1794話
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吹き出す。
 どうやら、気分転換をさせる事は出来たらしい。
 寧ろ、緊張の糸が切れた影響が、数分の間笑い続ける。

「あはは。……何でこんな何でもない事が、こんなに面白いのかしら」
「命の危機を乗り越えた影響だろうな」
「命の危機……ね」

 しみじみと呟くゆかりの脳裏には、間違いなくあの死神の姿が映し出されているのだろう。

「凄かった……うん、何て表現すればいいのか分からないけど、凄かったわ」
「まあな。あの死神は、正直何であんな階層で出てきたのか分からないくらいに凄いやつだったな」

 普通であれば、それこそラスボスや隠しボスと呼ぶに相応しいだろう強さを持つシャドウ。
 ネギま世界のフェイトと同等……下手をしたら上かもしれないだけの実力を持つ。
 しかも、実際に戦った時間は短い。
 恐らく……いや、間違いなく向こうは本気にはなっていなかっただろう。
 にも関わらず、マハガルダインとかいう風の広範囲攻撃魔法を使おうとするし、実際にそれを見た訳ではないが、メギドラオンとかいう爆発……もしくはそれ以外の属性を持つ魔法も使った。
 俺が知っていた魔法は、アギ、ブフ、ガルの3系統のみ。
 あのメギドラオンとかいう魔法は、死神で初めて知った。
 もし何も知らない状況であの魔法を使われていた場合、それを防ぐのは難しかっただろう。
 ましてや、俺はともかくゆかりがどうなっていたのやら。

「あんなシャドウがいるなんて……ねぇ、アクセル。明日からどうするの?」
「どうするって言われてもな」

 この世界が何らかの物語の世界である場合、いきなり序盤であんなラスボスや隠しボスといった感じのシャドウが出てくるというのは、ちょっと納得出来ない。
 となると、恐らくは何らかの強制イベントで倒される相手だったり……もしくは、本来ならあのモンスターは狙ってあそこにいた訳ではなく、偶然、ランダムで、たまたま……あそこにいたとか?
 どちらの可能性も十分に有り得るが、個人的には後者であって欲しい。
 もし前者……何らかの強制イベントであそこにいたのなら、あの階層を突破するのはかなり難しくなってしまうからだ。
 もし突破するにしても、ゆかりを連れて行けば足手纏いになる事は確実なので、俺だけで行く事になるだろう。
 ともあれ、明日か明後日か……それは分からないが、次にタルタロスに向かう時は、一旦俺だけで行ってみる必要があるだろうな。
 問題は、ゆかりがそれを納得するかどうかといったところか。
 男に頼るという行為に対し、何故か嫌悪感のようなものすら抱いているゆかりだ。
 当然のように、今回も俺だけが動くと言えば、それに納得出来ないと口にするのは間違いないだろう。
 その辺りを話すより、まずはゆかりの機嫌を良くさせておくか。
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