第二話
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…あのボロ泣きだから、絶対直ぐに泣き止むはずはない。つまり……『嘘写し』か。
うっわ。もう受け入れ始めてるよ。この辺な状況。
俺は意外と冷静に対処していた。人間は慣れる生き物と言うけど、どうやら本当らしい。
「んで、キミはなんでここに来たのか分かるかい?」
神谷はそう言うと、立ち上がって窓際に移動し始めた。今頃たぶん涙を止めようとしてんだろうな。まぁ、本人が必死で隠してるものを兎や角言うような趣味はない。
しかし…………なんでここに来たか?
「わかるはずねぇだろ。精々偶然って位しか。」
俺がここに来た理由。そんなもの特に有るわけもない。この教室だってたまたま見つけた訳だし、ここに神谷が居るなんて知る良しも無かった。
「いやぁ、違うんだなこれが。」
神谷はちっちっち、と舌を鳴らしながらそう言った。
「『ボクの空間』に入れるのはなにか悩み事や頼み事、相談したいことを持ってる人にしか入れない。それが、さっき言った『権利』だよ。」
つまり、なんだ。『ボクの空間』とやらのルールから言わせると、俺は神谷になにか頼み事でもあるからってことか?
「…………知らねぇよ。」
会って数時間の奴になにか頼み事をするほど俺は厚かましくねぇつもりだ。朝初めて会ってからここに至るまで…………。
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あ。
「気づいたかい?」
神谷はさっきからずっとニヤニヤしっぱなしだ。
そうだ。俺は、確かに。
二時間前だ。俺はこう言った。
『しかし、神谷はなにか部活する気あるのか?なにかしたいんだけど、これといって案がある訳じゃなくてな………。』
俺は、神谷にこう話しかけた。
この『ボクの空間』は、それを『相談』と受け取ったんだ。実際、今でも俺はどの部活にも入ろうと思っていない。
「いやぁ。そーゆーことだよ。ワトソン君。」
神谷は、終始ニヤニヤしっぱなしで俺の肩を叩いた。いつの間に俺のそばまで移動してたのか。
「さぁて、それじゃま、せっかくの高校初相談だ!なんてったって、『相談があったらなんでも言ってください。日常的なことから、超常的な事まで。』だからね!ただし、きっちり代
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