託す答え
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笑みを浮かべている。それがハルマには不思議でならない
「夜桜は元々チャクラ性質を操る忍の為に作られた刀だ。血を吸い、使用者を獣に堕とすと呼ばれたこの刀は俺の相棒だった。お前にそいつを使ってもらいたい。どう使うかはお前の自由だ」
「だが、姫はこの刀を・・・・」
刀を託すと言われてもアサヒの事を考えればそれを受け入れる事など出来ない。しかし、彼は首を横に振り話しを続ける
「あいつが持っても刀は飾りにしかならん。刀は斬るものだ。自分の為。他人の為。または欲望の為なのか、信念の為か。それはそいつにしか分からねえがな」
人を斬るという行為を正当化するつもりは無い。だが、そこには必ず何らかの想いがあるのだと言う
「人を斬る力を持つんだ。忍の力を扱い、誰かを殺せるのと同じように。武器を持つ者も忍術を扱う者も、殺す力を持つ者には責任が伴う。力を行使するなら恨まれる覚悟を持ち、同じように奪われる覚悟を決めておかなければならない」
力を持つ以上は責任を持て。そう言われた気がした。彼は今、自分に全てを託そうとしているのだとハルマは感じている。ならば応えなければならない。ハルマは答える
「・・・・・・何となくだけどあんたの言う事は分かったよ。俺はこの刀を自分の信念を貫く為に使う」
強い覚悟。それをハルマから感じたのか、彼は目を閉じる。安心したような、そんな表情だ
「そうか。なら、俺がそれについて言う事は何も無い」
だが、我儘を言うなら。そう言って言葉を紡ぐ
「お前には俺と違った答えを見つけてもらいたい。俺が出した答えは希望はごく僅かな人間にしか与えられないものだった。俺とは違った答えを出してくれ。そして、見せてくれ!答えを出したその先を??」
彼は死んだ後、希望を抱いた。自分に似た少年に全てを託したのだ。彼の指がハルマの額に触れる。暖かい光と共にハルマの中に色んなものが流れ込む
「(これはこの人の生き様?)」
「必ずお前の助けになるだろう。お前なら答えを出せると俺は信じている」
「ああ!必ず出してみせる。俺自身の答えを!」
「それでいい。お前の人生はまだ始まったばかりだ。俺と辿って来たものとも違うだろう。周りの環境もな。だから、必ず違う答えを出せる。それも俺よりもずっと良い答えをな」
同時に彼の身体が光る。塵芥が段々と消え去る
「身体が!」
「もう大丈夫そうだ。手を離してくれ」
彼はアサヒの元へ行く。彼の残した未練が無くなったのだろう。無くなった今、彼を現世に留める事は出来ない
「アサヒ・・・・・・わざわざ探してくれたって言うのにすまねえな」
「いえ。兄様が決めた事なら。それにハルマなら安心出来ますから」
涙ながらにそう話すアサヒ。願いは果
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