2 甘い言葉には裏がある。
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高杉は、余裕の笑みを浮かべて、立っていた。
_「お前、今逃げ出そうと 考えただろ?
それか、『脱出』とかいう考えをしていたな…?
止めに来てやったぜ…だから、逃げ出そうなんて、
そんなバカな考えはやめておくことだな。
…やっぱりそっちで来たか…
良かった…武器を盗んだことは、せめてまだ、バレていないようだ。
_「そのことも、言うか言わないかは、私しだいだ。
心の中で、獣が私に脅してくる。
_ 言ってやろうか…?武器を隠していることを…
黙っててほしければ、誰かの血をよこせ。」
…いやだ…もう血はしばらく見たくない…
ここはどうにかごまかそう…
_…分かったから、そのことだけは、言うな。
それだけ伝えると、獣は残念そうにうなった。
だが、心臓の痛みはまだ消えない。
それどころか、ますます増してきた。
_「どうした…?まさか本気だったのか?」
心の中で問答を続けていた私が、黙りこくっているのを見かねた高杉は、
私にそう言ってきた。
_「…違う。逃げようなんて、考えもしていなかった。
ただ、おなかが減って、気分が悪くなっただけだ。
…心配するな。」
演技力には、自信がある。
だが高杉に嘘をつくのは、いまだに難しい…。
_「ほぅ…。そうか。では先ほど、何かをポケットに隠しただろう?
何を隠した?言ってみろ。」
_え?なんでバレてんの?
_「いや…ふと時計を見たら、18時を過ぎていたから、食堂の夕ご飯の時間が気になって、
確認しただけだ。」
胸のポケットから、鬼兵隊の内部施設の営業時間がかかれた紙を引っ張り出し、
高杉に見せる。
_よかったぁ…これを持ってて。
_「…どうやら本当のようだな。」
高杉も、納得してくれたらしい。
_「だから、全部 お前の杞憂だ。私としても、まだ鬼兵隊を脱出する気にもならん。
私が本気でここを出るときは、私が、獣に打ち勝つか、
お前の支配から逃れた時だ。」
_「ほぅ…ではお前にはまだ、鬼兵隊を出る気がある、ということだな…
逃げられるとでも…?だがな、オレは、「支配」なんてしていない。
ええ?
獣はオレに、自主的に忠誠を誓ったんだぜ…」
_「なっ……たわけたことを…」
_「オレは、真実のみ
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