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翠碧色の虹
第六幕:太陽があって虹は輝く
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時崎「そっちは、直ぐに分かったよ」
天美「つっちゃーの他にも『みのちゃー』とかも、あったかなー?」
七夏「こ、ここちゃー! それは忘れて!」
時崎「? みのちゃー?」
七夏「なっ、なんでもないですっ!!!」

俺は七夏ちゃん非公認のあだ名「みのちゃー」が気になったが、七夏ちゃんの様子から、この事には触れてほしく無さそうなので、これ以上追求するのは止めておく事にした。

天美「まあ、そんな訳で、また会えたらよろしくねっ! お兄さんっ!」
時崎「ああ。こちらこそ。・・・って、もう帰るの?」
天美「うん。午後から部活の練習あるから」
時崎「部活?」
天美「そっ!」

天美さんは、鞄の端から飛び出している「ラケット」と、筒のような物の中から羽根を取り出して見せてくれた。

時崎「あ、バトミントン!?」
天美「あ、お兄さん『バドミントン』ね」
時崎「あ、バドミントンなのか・・・」
天美「そうそう、あっ『羽根つき』って思った!?」
時崎「いや、羽根つきの印象もあるけど、スポーツ競技としては、スピード感があるよね。スマッシュなんかは目に見えない速さだよ」
天美「おー、お兄さんっ! 分かってる!」
時崎「いや、今、バドミントンで知ってる事を全てさらけ出したんで、これ以上は無いよ」
天美「あははー。それだけで十分だよー」
七夏「えっと、羽根つきは、羽子板になりますね」
時崎「羽子板! 確かに!」
天美「ちなみに、羽根の事はシャトルって言うんだよ」
時崎「シャトルか・・・なるほど」
天美「それじゃ、失礼しまーす!」

天美さんの大きな声で、凪咲さんが姿を現す。

凪咲「天美さん、またいらしてね」
天美「はい。凪咲さん! つっちゃーも、またねっ!」
七夏「はい☆」
天美「お兄さんも、また会えたらねっ!」
時崎「あ、ああ」

天美さんが帰ると急に静かになった・・・と思うが、こんな事を考えては天美さんに失礼かな。俺の思ったとおり、天美さんは、とても明るく爽快な女の子で、天美さんと一緒に過ごす七夏ちゃんは、俺と話す時とはまた違って、とても自然に輝いて見えた。また天美さんとも楽しく過ごせる機会があるといいなと思った。

凪咲「柚樹くん、七夏。お昼にしましょう」

凪咲さんの言葉で、壁の時計を見ると、長針と短針が縦一直線になっていた。

第六幕 完

−−−−−−−−−−

次回予告

虹は七色だと思っていた・・・不思議な少女に出逢うまでは・・・

次回、翠碧色の虹、第七幕

「翠碧色の虹」

自分が正しいと思う事なんて、自分の中だけでしかない・・・俺はそれに気付かされた。
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