第六幕:太陽があって虹は輝く
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れないので。あまり長時間にならないように、なさってくださいね」
時崎「はい」
俺は、テレビとそのPSの電源を入れ、テレビの入力切替を行う。PS本体の近くにあったコントローラーを手に取る。しばらくするとPSの映像が映る。
時崎「うわっ!! これは・・・映像がぼやけてる!」
この原因がすぐに分かった。このPSはコンポジット(RCA)・アナログ接続されているのだと。テレビとPS本体の背面を覗き込んでみると、予想通り「黄・白・赤」の三色のケーブルで接続されていた。大きなテレビに旧式のアナログ接続は映像がぼやけてしまう事を凪咲さんは知らないのだろう。くっきりと映るテレビ放送を見た後では、なおさらの事である。さっき凪咲さんはテレビを買い換えたと話していたから、PSに使っているこのケーブルが、アナログ接続のままというのはすぐに理解できた。せっかくのPSが、これではかわいそうだ。七夏ちゃんがこのぼやけた画像を見ているかも知れないと思うと、色々と心配だ。俺は凪咲さんに相談してみる事にした。
時崎「すみません」
凪咲「はい。どうかなさいました?」
時崎「テレビに繋がっているPSの事なのですけど。取扱説明書や付属品ってありますか?」
凪咲「PS? あ、テレビゲーム機の? えっと、こちらにあったかしら?」
俺は凪咲さんに付いて行く。
凪咲「これかしら?」
時崎「はい、そうです! ちょっとお借りしても良いですか?」
凪咲「はい。どうぞ」
時崎「ありがとうございます」
凪咲さんからPSの元箱一式を受け取り、テレビの置いてある広間に戻る。PSの元箱の中には、取り扱い説明書の他に縦置き用スタンド、他に付属品は見当たらない。俺は取扱説明書を見る・・・確認したかったのは付属品だ。どうやらデジタルケーブルは付属していないようである。何故PSにデジタルケーブルが付属していないのか、疑問に思う。この説明書通りに付属しているアナログケーブルで接続したら映像は、ぼやけるのだが、それを「そんなものである」と思う人も居るという事だ。
デジタルケーブルがあれば「ぼやけた映像」ではなく「はっきりと映る映像」が得られるだろう。テレビ側にはデジタル入力端子の空きもあるので、後はデジタルケーブルのみあれば、解決できそうである。俺は、PSの元箱一式を元の場所に戻しに行く。
時崎「凪咲さん、ありがとうございます。元の場所に置いておきますね」
凪咲「はい」
時崎「映像のぼやけた感じがする原因が、分かったのですけど、こちらで調整させてもらってもよろしいですか?」
凪咲「まあ、よろしいのですか?」
時崎「はい。ちょっとテレビの裏側の配線を変えさせてもらいますけど、基本的にテレビの操作方法が変わる事はないですので」
凪咲「ありがとうございます!」
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