第六幕:太陽があって虹は輝く
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、気も利くので、それに慣れてしまっていた。冷静に考えると、天美さんの反応の方が一般的だと言える。七夏ちゃんと話す天美さんの様子から、本当の天美さんは、明るくて元気な女の子だと俺は思っているし、それは間違ってはいないだろう。
七夏ちゃんと天美さんを見送った後、隣の広間を見渡すと大きなテレビ・・・お客様用だろうか。テーブルの上には、そのテレビ用と思われるリモコンが置いてある。俺はそのリモコンを手に取り、眺めていると・・・
凪咲「テレビ、ご自由にご覧くださいね」
時崎「ありがとうございます。随分大きなテレビですね」
凪咲「はい。少し前まで小さなテレビだったのですけど、故障してしまって・・・」
時崎「そうなのですか?」
確かに、大きなテレビは、年季の入った部屋に対して、明らかに時代が異なる印象を受けた。
凪咲「それで、遠くからでも見れるように考えたら、この大きさになりました」
時崎「なるほど」
凪咲「あと、七夏がテレビに近づき過ぎないように・・・という意味もあるかしら」
時崎「七夏ちゃんは、そんなに視力が弱いイメージはないですけど」
凪咲「七夏は視力は弱くないですけど、時々テレビに近づいている事があるの」
時崎「そうなのですか? 興味のある放送だったとか?」
凪咲「それもあるかも知れないですけど、真面目なニュース番組とかでもそんな時があって、そういう時は目を細めて見えにくそうにしていたかしら」
時崎「その時のニュース番組の内容は?」
凪咲「特に決まってはないみたい。この前は天気予報だったかしら?」
時崎「その時、七夏ちゃんは見えにくいとか話してました?」
凪咲「特にそういう事は・・・私が話しかけると、すぐにテレビとの距離をとっていたから」
時崎「そうですか」
凪咲「あ、すみません長々と。テレビ、ご自由にご覧くださいね」
時崎「いえいえ。ありがとうございます!」
凪咲「あ、あと、テレビの音量は少し控えてくださると、助かります」
時崎「はい」
俺は、七夏ちゃんがテレビに近づいている事があるという理由が気になるが、突然そんな事を本人に訊く事は出来ない。もし、七夏ちゃんがテレビに近づいている事があったら、その時にでも訊いてみる事にしよう。
改めて、俺はテレビの電源を入れようとして・・・ある物に目が行く。
時崎「ん!? これは、PS!!」
「PS」とは「Power Station」の略で、いわゆる家庭用ビデオゲーム機である。大きなテレビといい民宿風水、侮りがたし。俺の言葉に居間へ戻りかけていた凪咲さんが答える。
凪咲「あ、ごめんなさい。その機械は調子が悪いみたいで」
時崎「そうなのですか? ちょっと見させてもらっていいですか?」
凪咲「ええ。ただ、ぼやけた感じに見えて、目を悪くするかも知
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