第六幕:太陽があって虹は輝く
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??「おはよーございまーす! つっちゃーいる?」
玄関の方から明るく元気な声がした。その声のした方向に目を運ぶと、一人の少女が居た。初対面時の七夏ちゃんと同じ青と白のセーラー服姿。茶色のショートヘアで、明るく元気そうな印象であるその少女と、俺は目が合ってしまう。
時崎「えっと、こんにちは」
俺の言葉に、少女さんの表情は、少し固くなりつつ、
少女「ど、どうも〜」
さっきの大きな声とは、打って変わって小声だ。俺は次の言葉に詰まっていると、
七夏「あ、ここちゃー。いらっしゃいです!」
心桜「あ、つっちゃー! おはよー」
七夏ちゃんが顔を見せる・・・助かった。その少女さんの表情も明るくなった様子で、俺はホッとした。
七夏「柚樹さん。えっと、お友達の天美心桜さんです!」
七夏ちゃんの取り計らいで、俺も天美さんに自己紹介をする。
時崎「時崎柚樹です。民宿風水で、お世話になってます」
心桜「天美心桜です」
やはり、俺と話す天美さんの表情は、少し固い印象だ。まあ、初対面なのだから当然だと言える。何やら、小声で七夏ちゃんと話しているようだ。
心桜「(つっちゃー)」
七夏「(なぁに、ここちゃー)」
心桜「(今日、お客さん居ないって聞いてたんだけど)」
七夏「(あ、ごめんなさい。昨日、来られまして)」
心桜「(そっか。あたし、大きな声出してたら注意して)」
七夏「(柚樹さんには、騒がしくなるかもっていう事は話してます。『気にしないで』って)」
心桜「(・・・ふーん。話の分かりそうな人で良かったよ。だけど、あたしが居ると騒がしくなる前提っていうのは、素直に喜べないかなー)」
七夏「(あ、ごめんなさい)」
心桜「(冗談だよ。つっちゃー、ありがと)」
しばらくすると、七夏ちゃんがこっちに来る・・・
七夏「それじゃ、柚樹さん。私たちは、お部屋に居ますので、また後で」
心桜「?」
時崎「ああ、じゃ、用事が済んだら声かけて」
七夏「はい☆」
心桜「???」
天美さんは、俺と七夏ちゃんの会話を聞きつつ、俺の手元をじっと見ている。その視線の先には、写真機があった。写真を撮ってほしいのかとも思ったが、天美さんの表情から、その逆の意思である事は明らかだ。完全に警戒されている。天美さんも写真に対して、あまり良い印象を持っていないのかも知れない。俺はその真意が分かるまで、天美さんの前では写真機や写真の話題は控えようと思った。俺が天美さんに会釈すると、天美さんは、ちょっと困惑気味の表情を浮かべつつも、軽く会釈を返してくれた。
七夏ちゃんとは随分印象が異なる天美さん。民宿育ちで、凪咲さんのお手伝いをしている七夏ちゃんは、人当たりがよく
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