記憶の断片
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時に、ジェラールがくれた名前。
──確かにあの時……。
「ジェラール……"僕"は……。」
「おかえり、相棒。」
俺は目の前の相棒の手を取った。
これが、正しかったのか、それとも間違いだったのか。
この時の俺は知らなかった。
だが、この時ジェラールが不敵な笑みを浮かべていたのを俺は気づいていなかった。
普段なら気づけていた……かも知れなかったのに。
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sideチェンジ
『そろそろ始めよう、楽園ゲームを。』
ジェラールの声が塔内に響いた。
「不味いぞ、エルザ。」
先程、私の過去を話し終えた時にシモンとショウに出会い今では共にジェラールを止めると話がついていた。
「どうした、シモン。」
ルーシィとジュビアは未だに気味の悪かったジェラールのアナウンスに震えているが、その気持ちも分からなくはないため何も言わなかった。
「ジェラールが狙っているのは間違いなく、エルザとアルマだ。」
「なんだと!?」
「どういう事だ?」
私とグレイが同時に声をあげると、走りながら話すと言われた。
「まず、Rシステムを作動させるには膨大な魔力と生け贄が必要だ。膨大な魔力はエーテリオンを落とす事で補うつもりだろうが……。」
「エーテリオンだぁ?」
グレイが何だそれと言うかのような反応を見せる。
──生け贄に関しては私だろう。
エーテリオン……、確か評議院で許可が出ない限り使う事が禁じられている魔法だった気が……。
前に本を読んでいたアルマに聞いた事があった。
走りながらも頭の中で整理していく。
「エーテリオン、それは大陸中の魔導士の魔力並の破壊力を持つ魔法だ……それと、この塔を建立させる時に使われた魔力の大半が当時のアルマの魔力なんだ。」
「た、大陸中!?」
全てに絶句した。
そんなものが落とされたら何も残らないだろう。
「なに!?」
「思い出せ、エルザ。懲罰房送りにされたアルマが戻ってきた時、左眼が失われていたのともう一つ。」
「ぐったりしていて意識が薄れていた……まさか!?」
「そのまさかだ。」とシモンは頷く。
「アルマは滅竜魔導士、並大抵の魔力じゃないはずだ。1回に取られる料もかなりのはず。だとすると、今回の塔を制御できるのは生け贄にするエルザでもなく、ジェラールでもない。」
「アルマだけという事か……!」
そう私が言うと前から魔法が飛んでくる。
「伏せろ!」
グレイの声が響き、私たちは全員伏せる。
「エルザ、ここは私たちに任せて先に進んで!」
ルーシィ
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