記憶の断片
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ハッピーを手にする猫耳をつけている敵の質問に俺は答えた。
「……アルマ」
「!?……生きて…」
そう言うと目の前で泣き出し、俺に抱きついてきた。
「……!?」
何が起きているのか分からずその場で固まることしか出来なかった。
「何も覚えてないにゃ…?」
「……悪い、俺は君の事を知らない。」
そう言うと、ピクッと反応し顔を伏せてしまった。
その時、周りのラクリマから気味の悪い程に口が現れた。
『ようこそ皆さん、楽園の塔へ。』
「ジェラール…!」
「ジェラール…?」
目の前の少女は声の主に反応する。
──何処かで聞いたことが……
『俺はジェラール、この塔の支配者だ。
お互いの駒は揃った……そろそろ始めようじゃないか
楽園ゲームを。』
そう言い終わると、俺の横に今まで無かった通路が現れた。
──俺を呼んでる…のか…?
それとも罠か…?
考えていると目の前にいた少女が離れ、話しかけてきた。
「私の名前はミリアーナ、ジェラールが呼んでるにゃ。」
「ミリアーナ……あ!」
ミリアーナはそう言うとハッピーを連れて何処かへ行ってしまった。
「油断した…!」
新たに現れた通路を見てギュッと拳に力を入れる。
「ここに消えた2年間の記憶がある…気がする。」
俺は魔法の一つ、思念体を一つ作って。
「ハッピーを探してくれ、俺はこっちに行く。ナツたちと合流したら理由を話しといてくれ。」
思念体に頼み、俺は通路を走った。
走り続けると今まで狭かった道が広い場所に繋がっていた。
「ここは……。」
「久しぶりだな、相棒。」
先程まで感じなかった気配を感じ、声がした方へと向き直る。
「……誰だ。」
「……そうか、記憶が無いんだったな。」
青色の髪の毛に特徴のある痣が顔にある青年が、悲しげな表情を浮かべて話す。
「俺の名はジェラール・フェルナンデス、アルマ、君が失くした記憶の2年間を共に過ごしていた者だ。」
「何…?」
「少し昔話をしよう。」
そう言ってジェラールという名の男は話し始めた。
「俺と君は今から4年前にこの塔、楽園の塔またの名をRシステムの建立させるための奴隷としてたくさんの村から攫われ駆り出された中の1人だった。
当時、この塔に閉じ込められていた中に俺、アルマ、ミリアーナ、シモン、ショウ、ウォーリー、そして。」
ジェラールは1度口を閉じ、間を開けてから。
「エルザがいた。」
「……エルザが…?」
「そうだ、俺達は自由を求め反乱した。一回目は兵士に見つかり立案者を懲罰房送りにされ、立案者で
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