暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第37話 『ご存知なので』
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セインはルーテシアをひとまず高架下に届けると、今度はケースを取ってくると少女に伝え、再びもぐりこんだ。
(今頃、ヘリは撃墜、混乱に乗じてケース奪い、撤退。簡単かんたん〜)
そうして、片方の指をスコープにして橋の上に指だけ出し目標を定めようとするが、一人がモニターを開き、そこを注視している面々がいるだけであった。
(ん?)
「まだ、こっちにいるわ!」
一人に気づかれる。
(しまった!)
[アギトさん! 脱出しましたか!?]
[してるよ。ったく、こういうこと、だろ!]
閃光弾が放たれ、周りは狼狽する。
[ありがとうございます!]
そういうとその目くらましの隙を突き、ケースを奪いさる。
[おまえのためじゃねぇよ。ルールーのためだ!」
[まーまー]
高架下に戻るとルーテシアのそばにアギトがいた。
「とりあえず、ここから離脱しましょ」
「……うん」
少女はアギトをやさしく包み、セインに抱かれながら地面へと姿を消した。
セインは先ほどのことで疑問とすることがでてきた。
(ヘリが撃墜されたら、もう少し乱れると思ったんだけどなー。ディエチが目標をはずす……いや、それも考えづらい。クア姉がいるんだし。)
というと。と、ルーテシアを抱き移動しながらさらに考えをめぐらせる。
(防がれたのかな? え、でもヘヴィバレルを防いだら、衝撃波がでて、すこしは相手に不安とか目視確認を遅らせる事ができると思うんだけどなぁ。あ、そっか、話しかければいいんだ)
考えてもうまい答えが出ず、直接クアットロに話しかける事にした。
[おーい、クア姉ぇ、何があったのー?]
だが、応答がない。
[え、クア姉、ディエチ!?]
顔に焦りをみせ、強く話しかける。
[なぁにぃ?]
少しの間があって、応答があった。
[クア姉、そっち、なにかあったの?]
ただ、余裕のない受け答えだ。
[私の、ヘヴィバレルが……]
ディエチも応答する。
[え、はずしたの!?]
[ちがう]
おそらく逃げてるのだろう、ところどころ息遣いが伝わってくる。
[そっち大変みたいだね、なんとか逃げて後で聞くよ]
[……かれた]
[え?」
かみ締めたように、ただ勢いがなくうまく聞こえない。
[何だって?]
[割かれた]
[は、ディエチ、なにいってるの?]
要領を得ない、割かれたの意味が捉えきれなかった。
[まだ、防御壁で防がれたほうがよかっ
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