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艦隊これくしょん〜男艦娘 木曾〜
第三十二話
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って木曾に時雨に夕立に春雨に天龍だぜ?両手に華って所か花畑レベルだ。眺めてるだけでも幸せ気分だ。
 
「そりゃあ良かった。ほれ、早く行かないと遅れるぞ?」
 
木曾はそう言うと、少し足を速めて春雨達に追い付こうとした。
 
…………ちなみに、当然ながらこれだけ可愛い女の子が楽しんでる訳だ。
 
「おーい、天龍ー?なんかいいもんあったか…………って。」
 
当然ながらナンパしてくる不届き者も居るわけで。
 
春雨達に声を掛けているチャラそうなにーちゃんが二人。どうやらこれから一緒にカラオケでも行かないかと誘ってるらしい。下心満載だ。
 
「その声かけてる女の子達はテメェらみてぇなのを守る為に戦ってるって知ったらどうするんだろうな……。」
 
「守られてるって実感が無いから特に変わらんだろ。どーしょうもねぇ奴は死に際でも変わらんさ。」
 
俺の言葉に痛烈な言葉を返した木曾。どーしょうもねぇ奴は言い過ぎかと思うがな…………。
 
木曾は仲間を物凄く大切にする。それも過剰なほどに。
 
ただ、自分が大切と思ってない奴には残酷なほど冷たいし容赦がない。まぁ容赦が無いのは仲間にもだけどな。
 
「さてと、そいじゃま助け船でも出してきますかね。」
 
木曾はさらに歩くスピードを上げて春雨達の元へ向かった。
 
…………でも、春雨はともかく、時雨は冷静だし、夕立は拓海ラヴだし、天龍は強気だし、助け船なんていらないと思うけどなぁ…………。
 
だからと言って向かわないのは男として酷いか、と考えて俺もスピードを上げた。
 
「やーやーにーちゃん。オレの連れに何してんだ?」
 
俺より先に春雨達に追い付いていた木曾はにーちゃん達にそう言ってにーちゃん達を睨んでいた。

「お?何だよテメェ。俺は今この娘達に話し掛けてんの!テメェはあそこの男と二人でラブホでも行っとけ!」
 
どうやらにーちゃん達は木曾を男と勘違いしたらしい。そりゃあ眼帯で半分顔を隠して一人称がオレなら勘違いしてもおかしくはないか。

…………だとしても、流石に言い草が酷い。これは流石に俺もいらっときた。
 
「おい、お前らいい加減に――、」
 
俺が春雨達の元にたどり着きながらそう言おうとしたとき。
 
 
 
 
「ほぅ…………そうかいそうかい。テメェらはホテルのベッドじゃなくて病院のベッドに寝てぇらしいなぁ?」
 
 
 
 
「………っ!」
 
木曾からただならぬものが出ていた。
 
あ、これ、『魔神木曾』だ。
 
「あのー、にーちゃんたち?悪いこと言わないから喧嘩は売らないほうが…………。」
 
俺はあくまで穏便に済ませたいと考えているから、にーちゃん達の身体を心配してそう言った。

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