第三十二話
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―一週間後 商店街―
「…………はぁ。」
俺はデカい溜め息をしながら肩を落として商店街の中を歩いていた。
……さて、なんで俺が商店街を歩いているのかというと、この鎮守府では一ヶ月に一回、外出の休みを取ることが出来るわけだ。
最初は、「そうかー、もうここに来て一ヶ月かー。早かったなー。」とか思ったけどさ。流石に地元の岡山に帰るには一日は短い。だから、気分転換に鎮守府近くの店とかに行こうかな、と考えていた。「夏休み一杯ここにいるぜ!」と言ってた悠人や拓海でも誘って。
…………なのに、あいつらと来たら部活を休んで来ていたらしく、「いい加減部活にでやがれ。」と言う先生のお怒り(と言うかヘルプ?)を受けて帰っていった。どうせまたすぐに来るんだろうけどな。
まぁそんなこんなで、どこか行こうかとか悩んでいた訳だ。
「ねぇ、二号さんに木曾さん、皆先に行ってますよ?」
…………そしたらだ。いつもの仲良しグループ、木曾、時雨、夕立、春雨、天龍が、「一緒に行くか?」と誘ってくれた。なかなかありがたい話だったわけで。喜んで飛びついてしまった。
…………まぁ、なんだ。艦娘とは言え女の子。買い物が多いわけで。当然ながら、男である俺は荷物持ちだ。艦娘になってなかったらとっくに重すぎて持てない量をすでに持たされている。
「ははっ。すぐに追い付くさ。久々の外出なんだから楽しんでこいよ。」
そして、自分の買い物が殆ど無いと言う木曾も俺と同じく荷物持ちだ。ちなみに代価は間宮アイスだ。こないだ食ったときにめちゃくちゃ旨かったから、ふたつ返事でオーケーしてしまった。そうしたらこの様。
…………木曾はどうやら慣れている上に、どうやら甘いものに目がないらしい。俺以上に張り切っていた。
「それじゃ、先に行ってますね?」
俺達に声をかけに来た春雨は、そのまま天龍達の元へ戻っていった。
「…………楽しんでるなぁ。」
俺はボソッと呟いた。まぁそれだけ仲間と一緒に居るのが楽しいんだろう。
…………あの夜、摩耶さんの所に行った俺と春雨は、木曾の過去を聞かされた。まぁ、うん、なんだ。取り合えず改めて木曾が目茶苦茶いい奴ってことはよぉく分かっただけだった。
…………そりゃあ一部を除いて皆から慕われてる訳だ。
「おうよ。オレ達って艦種的に一緒に出撃が多いからな。自然と仲良くなったわけだ。そんな奴と一緒にお出かけだ。楽しくないわけ無いだろ?」
そして、木曾と言う人間は裏表が殆ど無い。自分の思ったことは素直に言うから、こんな恥ずかしいセリフもポンポン言うわけで。聞いてるこっちが恥ずかしいわ。
「まぁな。俺もなんだかんだで楽しんでるし。」
なんと言った
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