第一章
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て言った。
「殿も許されぬ」
「殿がですか」
「殿はそうしたことにはことの他厳しい方じゃ」
織田信長はとかくそうした姑息な悪事を忌み嫌う。実際に小悪党が信長のその手で成敗されたという話は尾張や美濃で枚挙に暇がない。
その信長が己が倒したわけでもない者の首を持って来て手柄と称することを許す筈がないとだ。原田は雪吉に厳しい顔で言うのである。
「わかっておるな」
「はい、よく」
やはりしれっとしてだ。雪吉は言葉を返す。
「そうした奴はおらぬでしょう」
「ならいいがな。若しおればわしも許さぬし殿も許されぬ」
特に信長はだった。
「即刻打ち首となろう」
「それはまたおっかないですな」
雪吉は己のことを隠したままその褒美を貰った。彼のその話を聞いてだ。
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