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獣篇T
3 「噂」はあてにならない
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  _はぁ…まぁ、なんとか真選組をまいたものの、
   ここから離れない限り、真選組(あいつら)に狙われ続けるのは、確実だ。

   とりあえず、ここから離れないと…
   ヅラは、どこに逃げたのか…ちゃんと茶屋にいるのだろうか…




  一応待ち合わせ場所に指定した、茶屋へ急ぐ。

  目的地へ着くと、そこには、ヅラと、銀髪の天然パーマヘアーの男が、やり取りをしている
  最中だった。

  _「おい、ヅラァ〜。 お前、いいのか?
    一応指名手配中だろうーが、コノヤロー。」

  _「ヅラじゃない、桂だ。あぁ、そうだ。銀時、先ほどお前と同じような銀髪の若い女と
    偶然出会ってな。もうすぐこちらへ来るはずだ。」

  _「…もしかして、あいつのことか?えぇ〜っと……誰だったっけ?
    餡蜜とかいう名前だったっけ?」




  _おいィィィ!あいつ、私と元同級生だったくせに!
   私の名前を忘れやがって、コノヤロォォォ!


  
  坂田銀時…かつて共に攘夷戦争を戦った戦友であり、また
  今は亡き我らの師、吉田松陽が開いていた、松下村塾での同級生。
  戦争時代は、銀時と同じ呼び名で呼ばれていた。
  …それが、白夜叉。

  つまり、のちに伝説となる「白夜叉」の名は、同時に2人の人物のことを指している。

  私と、銀時。
  だが私は戦争後、異国へ旅立ち、昔のつてを頼って、今の本職、殺し屋をやっている。
  そのため世間の多くでは、「白夜叉」が2人いるということを知らない人が多い。

  



  だが今は時間がない。
  銀時に挨拶でも、しておくか。


  _「餡蜜じゃない、私だ、久坂零杏。覚えているか?」

  _「ああ…。もう1人の白夜叉。」

  _「まぁ、そうとも呼ばれている。
    そうだ、しばらくの間、かくまってはもらえないだろうか?

    今、真選組に追われていて。しばらくの間でいいから。
    Mr.前髪V字と、Mr.バズーカ砲に目を付けられいるのだ。」


  _「…あぁ、Mr.前髪V字ねぇ…。あいつは、土方ってんだ。どちらかと言えば、
    Mr.マヨネーズだがな。」

  _「そうなのか…。次会ったら、そう言っておく。
    あと、Mr.バズーカ砲の方は?」

  今度は桂が口を開く。

  _「あいつは、沖田だ。沖田総悟。真選組1番隊隊長だからな。
    なかなか手ごわいぞ、あいつは。なにしろ、飛び道具を持っているからな。」

  _「なるほど。気を付けよう。」

    さて話は戻るが、居候の件、お願いしてもいいだろうか。」


 
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