641部分:第四十九話 馬岱、真名を言うのことその十二
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第四十九話 馬岱、真名を言うのことその十二
「親密な方が合っているようだな」
「それはそうだけれどな」
「では御主と愛紗とでだ」
「むっ、私もか」
「今宵でも褥の中でだ。どうだ」
「えっ、まさか」
「それは」
馬超と関羽は趙雲の今の言葉にぎょっとした顔になった。
「あたしを、その」
「貴殿が」
「女三人でどうだ?面白いぞ」
「い、いや。あたしはその、あれだよ」
「私もだ。そうした趣味は」
「知るのはいいことだ」
趙雲は二人を手玉に取り続ける。
「それではだ。どうだ」
「だからいいって」
「そういうことはだ」
「やれやれ。面白くないことだ」
「そういう問題じゃないだろ」
「冗談が過ぎるぞ」
少しムキになって抗議する二人だった。
「ったくよ、いつもだけれどな」
「それでもだ」
「私はわりかし本気なのだが」
しかしまだ言う趙雲だった。
「幸いまだそうした経験はないしな」
「それでそう言うのかよ」
「全く。どういうことだ」
そんな三人のやり取りであった。そしてである。
一行はだ。あらためて周りを見回す。そこは。
「雰囲気が変わりましたね」
「明らかにですね」
孔明と鳳統が話す。見れば木々も草花もだ。これまでの場所とは違っていた。
「徐々に違ってきていましたけれど」
「それが本格的になりましたね」
「左様、ここがじゃ」
二人にもこう返す厳顔だった。
「南蛮じゃ」
「そしてここに、ですね」
「桃香さんの剣を元に戻す術がありますね」
「いよいよなんですね」
劉備もその顔を少し引き締めさせる。
「南蛮に来てそれで」
「ただ。どうしてそれが行われるか」
「それがわかりません」
軍師二人の顔がここで曇る。
「とりあえず南蛮王猛獲さんのところに行ってです」
「その人からお話を聞くべきですけれど」
「そうですね。それじゃあ」
「はい、行きましょう」
「今から」
こうしてだった。南蛮に着いた一行はこの国の王猛獲のところに向かうことになった。何はともあれ遂に南蛮に着いたのであった。
第四十九話 完
2010・12・14
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