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俺の涼風 ぼくと涼風
12. 久しぶりの外出(1)
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繋ぎはしなかった。ちくしょう。

 ……ちょっと待って。なんでちくしょう?

 鎮守府の正門に行くまでの間、ゆきおの部屋がある宿舎が、最近少しずつ内装が変わってきていることが気になった。実際にその宿舎に住んでいるゆきおに聞いたら、何か分かるだろうか。今、まっすぐ前を見て、てくてくと歩いているゆきおに、少し聞いてみることにした。

「なーゆきおー」
「んー?」
「ゆきおの宿舎さ。最近物が増えたり内装が変わったりしてるけどさ」
「うん。けふっ……」
「あれって、どんな建物になる予定か、ゆきお知ってっか?」

 私はとても軽い気持ちでゆきおに質問してみたのだが……

「……涼風」
「ん?」

 私が質問した途端、ゆきおは深刻な眼差しで私を見た。そして、その深刻な眼差しのまま、周囲をキョロキョロと警戒している。木陰やベンチの下……私たちの死角になっている部分に注意を向け、まるで周囲に人がいないかどうかを確認しているみたいだ。

「ゆきお?」
「……よし。誰もいない……」

 私も周囲を軽く見回すが、人影はないようだ。安心したらしいゆきおは意を決したらしく、さっきの真剣な表情を私に向け、驚愕の事実を私に告げた。

「僕の宿舎はね。実は、男の艦娘たちの調整施設なんだ」

 ……んん? 調整施設?

 思わず吹き出してしまいそうなほどに真剣な表情で語ってくれるゆきおの弁によると……あの建物、実は男の艦娘たちの宿舎兼体調や艤装などの調整を行う施設なんだそうで。

 以前に私があの宿舎の中ですれ違った、薄ピンク色の白衣を着た女の人は、看護師さんで間違いないそうだ。あの人たちが、いずれ増えるであろう、ゆきおたち男の艦娘たちの体調管理を任された人たちらしい。

「でもさーゆきおー」
「ん?」

 ゆきおの話を聞いていて疑問に思ったのだが、私たち艦娘には、そんな調整施設などない。確かに怪我を治すための入渠施設はあるが、せいぜいそれぐらいだ。艤装の整備と調整だって、別に特別な設備が必要なわけではない。

 それなのに、ゆきおは『男の艦娘には調整施設が必要』だと言っている。なんだか妙な話だと思うんだけど……

 そんな疑問をゆきおにぶつけてみたところ、ゆきおはふぅっとため息をつき、首を横に振っていた。なんだか私の質問に呆れてるような……? 私は、そんなにアホなことを言ったのだろうか……?

「涼風……僕達男の艦娘は、今までにない、新しい存在なんだ」
「だなぁ」
「そんな新しい存在である僕達は、まだまだ分からない事が多い、謎の存在なんだよ」
「へぇ」
「だから僕達には、どんなことでも万全の体勢で臨んでくれる、調整施設が必要なんだ……!!」
「ふーん……」

 新しい存在の一体どこに調整施設な必
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