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俺の涼風 ぼくと涼風
12. 久しぶりの外出(1)
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…」

 急いで榛名姉ちゃんに『これからデートにいくから、お化粧教えて』て聞きに行こうと思ったけれど、よく考えたら今、榛名姉ちゃんは出撃中だ。困った……これじゃすっぴんでデートに行かなきゃいけなくなる……せっかくゆきおとデートなのに……

 悩みに悩んだ末、以前に摩耶姉ちゃんから『サイズ間違えたからお前にやるよ』と強引に押し付けられた紺色のダボダボパーカーを着て、下は黒のデニムパンツにした。裾を折れば水色のストライプが見えて、ちょっとはかわいくなるはずだ。パーカーは前のジッパーを開けて羽織って……インナーは……うう……白のTシャツしかない……こんなことなら……榛名姉ちゃんと仲直りした時に、おしゃれのことももっと色々聞いておけばよかった……。

 なんだかいまいち自信が持てないまま、ゆきおと待ち合わせの場所の、桜の木の下に到着した。もっと早く知っていれば、もっと色々と準備が出来たのに……提督も意地が悪い……。

 そうしてどんよりした気分のまま、待つこと数分。

「お待たせー」

 いつもの、優しくて耳障りのいい柔らかい声とともに、ブラウンのダッフルコートを着たゆきおが、宿舎の入り口からとことこ歩いてやってきた。

「待った?」
「ん、いや! あたいも今来たとこ!」
「そっか」

 ゆきおの全身を見る。ダッフルコートは前が閉じられているのでインナーはよく見えないけれど、どうやらクリーム色のニットを着ているようだ。いつもクリーム色のカーディガンを羽織ってるせいか、よく似合ってる。パンツは私と同じく紺色のデニムパンツで、白のスニーカーを履いていた。

 ……なんか、よく似合ってる。

「……ゆきおー」
「んー?」
「似合ってんな」

 言ってしまった……ポロッと……。言われた当の本人ゆきおは、とたんに顔を真っ赤にして戸惑いながら『ありがと……』といい、恥ずかしそうに俯いている。その仕草は、何も知らない人が見たら、女の子と間違えても可笑しくない。

「え、えと……涼風も」
「へ?」
「スポーティーで、元気な涼風に……よく似合ってると、思うよ?」
「あ、ありがと……」

 これは仕返しだろうか。ゆきおはゆきおで、私の私服を真っ赤な顔でたどたどしく褒めてくれた。こういう切り返しは卑怯だ。やめて欲しい。顔を真っ赤っかにして言われたら、こっちも恥ずかしくなってしまう。

 それに。

「……へへ」
「? どうかした?」
「へあっ!?」
「へあ?」
「な、なんでもねーよっ!」

 妙に心が弾んで、顔がニヤニヤしちゃうから。

「よしっ。んじゃいこっか」
「おーう。行こうぜゆきおー」

 こうして、私とゆきおの、初めての……デートが、始まった。ちなみに少々残念だったけど、さすがに手を
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