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獣篇T
1 大切なものは、必要な時に限って、出てこない
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の声だ。


  とりあえず、桂だけでも逃がさないと…


  _「ヅラ…お前は、逃げろ」

  私がそう言ったのと同時に、彼も私に、逃げろ、と言った。


  _いや、私がひきつけておくから、お前は先に逃げろ。
   なんといったって、私の本職は、殺し屋だ。

  _ヅラじゃない、桂だ。

  _だから、ヅラ、こちらが片付いたら、そちらへ向かう。
   だからお前は、先に茶屋ででも、待っててくれ。


  _…分かった。では、また後で。


  桂が去ったのを確認して、後ろを振り返ろうとしたその時,



  _「御用改めである。」

  頭に刀の先が当たった。


  _!


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