ペルソナ3
1793話
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でも、タルタロスの中には強力な風が吹き荒れる。
それこそ、まさに間近でトルネードに触れてしまったかのような……そんな風の乱舞。
「ちぃっ!」
この死神、一体どんな魔法を使うつもりだったんだ?
ガルというのは風の魔法。そして今までタルタロスでシャドウと戦ってきた経験から考えると、マハとつくのは広範囲魔法だ。
そうなると、恐らくダインというのが魔法の威力とか規模といったものを表しているのだろう。
今の様子を見ると、ダインというのはかなり強力な規模だと見て間違いない筈だ。
「きゃあっ!」
その風の乱舞に、ゆかりは立っていられなかったのだろう。悲鳴を上げながら床に倒れ込んでしまう。
そして……最悪な事に、死神はその声を聞き漏らすような事はしなかった。
俺の方に向けて左手に持つ拳銃の銃口を向けながら、右手に持つ拳銃の銃口はゆかりの方に向けられる。
「ゆかり、逃げろ!」
そう叫びながら、俺は死神が持つ拳銃の銃口を向けられるままにゆかりとの距離を縮める。
混沌精霊としての能力に、瞬動、更に……
「加速」
精神コマンドの加速を使い、それでもまた足りないと判断すると精神コマンドを重ねる。
「覚醒、加速」
覚醒を使い、更に加速。
そうして距離を詰め……
「イ……オ……」
俺が間に合うか間に合わないか、そんな極限状態の中で、ゆかりが小さく呟く声が聞こえてくる。
同時に、何かが砕けたような……そんな音が、耳ではなく脳裏で聞こえたような気がした。
そしてゆかりが呟き終わった瞬間、その前に何かが姿を現す。
それは、牛の頭蓋骨に鎖で縛られた女がいるような、そんな不思議な何か。
だが、その何かがゆかりの能力だというのは、現れた存在が死神と向かい合うように対峙しているのを見れば明らかだった。
いや、それは死神と対峙しているというより、正確にはゆかりを守っていると表現した方がいい。
その何かに向け、死神は銃弾を撃つ。
何らかの行動をするでもなく、その何かは銃弾を受け……そのまま霧散していく。
「きゃあっ!」
そしてゆかりの口から出る悲鳴。
ちっ、ゆかりの能力……恐らくあれが荒垣の言っていたペルソナなのだろうが、そのペルソナに覚醒したのはいいものの、覚醒したばかりでは当然のようにペルソナを使いこなす事は出来ない。
結果として、何も出来ずにペルソナは死んだのだろう。
あの死んだ……いや、消滅したペルソナは、もう生き返る事が出来ないのか、それとも出てきたのを破壊されただけで、またすぐに姿を現せるのか……その辺りは分からないが、そんな中でも分かっている事が1つだけある。
それは……ペルソナと思しき存在を見て、死神も一瞬ではあっても
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