ペルソナ3
1792話
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ライムもどきが2匹、王冠を被ったのが1匹姿を現す。
こっちの能力を考えると、寧ろいい標的と言えるだろう。
幸いまだこっちに気が付いている様子もないので、先程入手した青い宝石に魔力を込め、軽く投擲する。
もっとも、軽くと言ってもそれはあくまでも俺の認識での軽くだ。
寧ろ宝石を力一杯投げれば、それだけでシャドウの身体を貫いたりしてしまうだろう。
……うん? よく考えたら、それはそれでいいのか?
寧ろ、相手の身体を貫き、その身体の中で魔法を発動させれば……
まぁ、宝石の中に封じ込められているのが回復魔法だったら、与えたダメージをその場で無効化されてしまうのだが。
そんな風に考えている間に宝石は飛んでいき、やがてシャドウ達のど真ん中で魔法が発動する。
発動した魔法は……
「ブフ、だったかしら?」
「いや、違うな。かなり広範囲に効果が広がっている」
吹雪が起きているという点ではブフでいいのだろうが、かなり効果範囲が広い。
これは、マハブフだったか? あの、ブフを広範囲に放つ奴だと思う。
「ああ、何だっけ? あの手が身体になっているシャドウが使ってたわね」
ゆかりも俺の言葉に納得したのか、そう頷いてきた。
「となると、この宝石はマハブフか。他にもマハアギ、マハガルとかの魔法が封じられている宝石がありそうだな」
「そうね。出来れば魔法が封じられている宝石は多く欲しいわ」
「……それって、攻撃手段としてだよな?」
「当然でしょ」
もしかして、宝石の美しさそのものを欲して宝石が欲しいと口にしたのではないかと思ったが、ゆかりは予想外にあっさり、そう告げた。
うん、どうやらゆかりを見くびっていたらしい。
「私達は2人でタルタロスを攻略してるのよ? だとすれば、攻撃手段は多ければ多い程いいでしょ」
「そうだな」
実際には、炎獣を始めとして、攻撃手段は幾つもある。
だが、ゆかりは別に俺の攻撃手段全てを知っている訳ではない以上、少しでも攻撃手段を多くしたいと考えても不思議ではないだろう。
ましてや、ゆかりの攻撃手段は弓だ。
使った矢もある程度回収出来てはいるのだが、それでも全てという訳ではない。
どうしてもシャドウを貫いた時に鏃が欠けたりする。
いや、そちらは無理をすれば回収して使えないこともない。
遠くの敵を射るには狙いがそれやすいが、ある程度距離があれば問題はないのだから。
だが、他の場所……具体的には矢そのものが折れてしまっては、どうしようもない。
いやまぁ、俺ならそれを投げて使うという手段はあるかもしれないが……どうしたって、その辺りで矢を消耗していくのだ。
ゆかりにとって、矢の消耗はまさに自分の命が徐々に減っていくようなものだ。
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