ペルソナ3
1792話
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相手が出てくるのは確実だろう。
であれば、ゆかりも炎獣に頼るのではなく、自分の力でどうにか出来るようになって欲しい。
そう思ってしまうのはおかしくない筈だ。
「ええ、分かってるわ」
ゆかりも俺の言葉に異論はないのか、それ以上は不満を口にせず、持っているショートボウを握りしめる。
そして俺達はタルタロスの中を進み……
「お、宝箱だな」
分かれ道を適当に選んで進んだところ、宝箱の姿を確認する。
既にこの頃になれば、ゆかりも宝箱を見つけたからといって罠を警戒するような事はなくなっていた。
いや、正確には罠はあるかもしれないが、俺ならそれは問題ないと判断しているのか、以前のように極端に離れる……といった事はしていないというのが正しいか。
「今度は何だと思う?」
「……何だろうな。出来れば、魔法が込められている宝石か……ゆかりが持っているショートボウよりも強力な弓だといいんだが」
「そうは言っても、このショートボウを手に入れてから、まだ殆ど経っていないのよ? さすがにそれは……」
言いにくそうにしているゆかりだったが、実際問題使っている武器が強力になるのであれば、それが一番いいと思っている。
もっとも、問題なのはゆかりがそれを使いこなせるのかという事だが。
基本的に弓の威力というのは、弦をどれだけ強く張っているかという事が関係してくる。
その強さを使用者に負担させないような構造の弓もあるが、少なくてもゆかりが以前まで使っていた部活の弓やこのショートボウに関しては、そのような仕組みがない。
「ま、中に何が入ってるのかは、実際に開けてみないと分からないだろうな。……いいか?」
無言でゆかりが頷くのを見ながら、宝箱を開ける。
するとそこから出てきたのは……
「よし!」
思わず、俺の口から喜びの声が出る。
何故なら、宝箱に入っていたのは小さな……それこそ指先程の大きさもない青い宝石だったからだ。
宝石だというだけであれば、俺がここまで喜ぶようなことはない。
だが、その宝石から魔力を感じられる……つまり、中に魔法が封じ込められているのであれば、話が別だろう。
これは、正直なところ俺が最も欲していた物に他ならないのだから。
「うわ、綺麗ね」
小さな宝石であっても、宝石は宝石。
罠の類がないと判断して俺の近くにやってきたゆかりも、そこにある宝石を見て感嘆の声を上げる。
「そうだな。……ただ、何の魔法が封じられているのかってのが分からないのは痛いな」
「やっぱり実際に使ってみる必要があるんじゃない?」
ゆかりの言葉に頷きを返す。
そうしてタルタロスの中を進み……
「お、出たな」
視線の先に数匹のシャドウ……ス
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