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英雄伝説〜灰の軌跡〜
第32話
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〜パンダグリュエル・パーティーホール〜



「オレ達それぞれの”個人としての意見”か………」

「その答えを出す事も私達にとっては難しいよね……」

トワの問いかけに対してガイウスとアリサはそれぞれ複雑そうな表情で考え込み

「その……やっぱりユーシスとラウラは指揮下に入った方がいいと思っているの?レン皇女殿下もさっき二人は貴族だから”貴族の義務”として、貴族連合軍の兵士達を殺す事も当然だって言っていたけど……」

「…………ああ。俺の場合は今回のメンフィルとの戦争勃発の原因となった”アルバレア公爵家”の一員として皇女殿下や皇帝陛下達―――”アルノール皇家”に対する贖罪をする意味もあるが……自らの権力を維持したいが為に内戦を引き起こしてエレボニアの民達を苦しめ続け、挙句の果てには皇帝陛下達を自分達の”大義名分”として利用し続けている貴族連合軍の所業は帝国貴族として許し難い所業だ。そのような”賊”共を斬り、エレボニアの平和を取り戻す事も”貴族の義務”だ。」

「……私もユーシスと同じ意見だ。私達帝国貴族はエレボニアの民達が納めてくれる税によって、生きている。民達は有事の際、私達帝国貴族が先頭に立って解決してくれると信頼し、税を納め続けているのだから、その信頼に応える事もまた”貴族の義務”なのだからな。」

「アンもこの場にいれば、二人と同じ事を言うんだろうね……」

「うん……アンちゃんは普段は貴族からかけ離れた事をしているけど、何だかんだ言っても肝心な時になれば貴族の一員として、立派に”貴族の義務”を果たしてきたものね。」

「………………」

エリオットに問いかけられたユーシスとラウラはそれぞれ肯定し、ジョルジュとトワはそれぞれある人物の顔を思い浮かべて複雑そうな表情をし、アルゼイド子爵は目を伏せて黙り込んでいた。

「君達とはまた別の理由だけど、正直僕も”特務部隊”の指揮下に入って、一日でも早く貴族連合軍を制圧して、内戦を終結させるべきだと思っている……今回のメンフィルとの戦争や内戦も元を正せば”革新派”と”貴族派”の派閥争いなのだから、その派閥争いに深く関わっている父さんの息子である僕もその責任を果たす必要があるだろうしな……」

「その件で君達が罪悪感等を抱く必要はないよ。本来派閥争いを治めるべき人物は私達――――”アルノール皇家”なのだからね。」

「お兄様の言う通りですわ。ですから、マキアスさん達が辛い思いを抱えてわたくし達と共にする必要はありませんわ。」

複雑そうな表情で答えたマキアスにオリヴァルト皇子とアルフィン皇女はそれぞれ慰めの言葉をかけた。



「お気遣い、ありがとうございます。でも父さんが今回の件を知ったら、エレボニアが衰退する原因は間違いなく自分である事に
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