暁 〜小説投稿サイト〜
異世界に転生したら、強くてニューゲームでした。(編集中)
深夜の大失敗
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ジは見つからない。
(うわぁぁ、どうしようどうしよう…)
そうこうしているうちに、誰か起きてしまったみたいだ。
木龍の鳴き声だろうか。焦った僕は、取り敢えず教科書を隠し、証拠隠滅を図る。
でも、木龍を隠そうとしたところで、部屋の扉は開けられてしまった。
《ガチャッ……》
(ぎゃあああああああ!!!)
硬直する僕。鳴き続ける木龍。床に散乱する花。そして、扉を開けた姿勢で固まるお母様。
「……………………………」
「…………………………」
(……沈黙が辛い。もっと調べてから召喚したら良かった…)
ネグリジェ姿のお母様は、木龍の鳴き声を僕のものと勘違いしてきたようだ。
驚くお母様の視線は、僕と木龍を何度も行き来した。そろそろ10往復はするんじゃないかってとこで、やっと口を開く。
「い、イヴ……?この木龍、あなたが召喚したの?」
木龍を指差してそう言った。
隠しても、いずれはバレてしまうだろう。ぼくは、素直に頷いた。
「あい、おかーしゃま」
その答えを聞いて、お母様は驚きと嬉しさの混ざった顔をした。てっきり怒られると思っていた僕は拍子抜けする。
(………?)
「いい?イヴ。あなたの年で木龍を召喚するのはとても凄いことなの。木龍は魔力が高いし、珍しいもの。このことは、明日お父様とお話しましょうね」
僕の目線にしゃがみ込み、諭すお母様。だが、その魂胆は分かっているっ!!
明日は、お父様とお母様からのお説教タイムが待ち受けているに違いない。
でも、仕方ないことだ。僕が撒いた種だもの。心中では泣きたいのを我慢する。観念し、
「……あい」
と返事をすると、お母様は笑って撫でてくれた。
優しい表情に安心するけれど、明日のことを想像すると僕の心臓はバクバクだ。
おかげで、木龍と花を消したお母様が部屋から出て行った後も、あまり寝付けなかった。
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