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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
637部分:第四十九話 馬岱、真名を言うのことその八
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第四十九話 馬岱、真名を言うのことその八

「しかしあの橋で大丈夫だと思うか」
「難しいな」
 関羽がきつい目になって答えた。見ればその吊り橋は今にも落ちそうである。縄も木の板もだ。どれもが酷い有様である。
「一人でも渡ればそれでだ」
「崩れてしまうのう」
「そうだ、危険だ」
 関羽はそのことを見抜いているのだった。
「ここはどうするべきか」
「そうだな。さしあたって木はある」
 趙雲は周りを見回す。それは豊富にあった。
「それではだ」
「またあれだよな。橋を作るか」
「そうするべきだな」
 趙雲はこう馬超にも帰す。顔は真面目なものになっている。
「ここは」
「それじゃあ今度はあたしがやるな」
 馬超は名乗り出てからその十字槍を構える。それからだった。
 前にあった大木に対して突き進みそのうえでまずは横に一閃する。
「はぁっ!」
 それからだった。高く跳躍しそのうえで縦にも一閃する。それで関羽と同じ様に大木で橋を作ってだ。谷にかけたのであった。
「これでいいな」
「うむ、上出来だ」
 趙雲が着地した馬超に述べる。しかしであった。
「ただ、だ」
「んっ?何だ?」
「愛紗もそうだったが」
 彼女の名前も出すのであった。
「見えていたぞ」
「見えていた!?何がだよ」
「相変わらず見事な緑色だな」
 趙雲の顔はここでは微笑んだものになっていた。
「愛紗は奇麗な白だな」
「えっ、まさか見えてたのか!?」
「私もか!?」
 馬超だけでなく関羽も趙雲の今の言葉には赤面になる。
「あたしの下着」
「斬った時にか」
「言っておくが二人共動けばすぐにだ」
 趙雲は妖しげな微笑みのままその二人に話す。
「ちらちらと見えているぞ」
「じゃあ戦いの時なんかは」
「敵味方に丸見えだったのか」
「無論私もそうだろうがな」
 趙雲はここで自分の服を見る。彼女の服も丈は短い。
「これではな。私も白だがな」
「いや。下着の色よりもだよ」
「見られていたのか」
 二人の真っ赤な顔はそのままである。
「何てことだよ」
「この服は気に入っているのだが」
「何、気にすることはない」
 趙雲の微笑みはそのままである。
「見えていても何の問題はないではないか」
「いや、あるだろ」
「それはだ」
 すぐに反論する二人だった。
「見せるものじゃないんだからな」
「それでどうしてそう言うのだ」
「気にするな。見せる為のものだ」
「いや、だから下着ってのはな」
「そうではない筈だ」
 二人のその反論は続く。
「あたしは見られたら恥ずかしいぞ」
「むしろ恥ずかしくない者がいるのか」
「そう思うからこそいいのではないか」
 二人は趙雲にあしらわれている。そんなやり取りであった。
 
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