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誘拐篇
1 人生には、知らなかった方がいいこともある。
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  はぁ…はぁ…

  ようやくラッシュが終わろうとしていた。
  このままラッシュが終わるのを待ちつつ、足が上がるかどうか、確かめた。

  _よし、上がる。
   このまま形勢を逆転させれば、こっちのものだ。

  _「高杉。お前、あの男が見ているだろう?」 

  _「あ? 男? そんなのものいねぇよ、最初から。」



  _え?

  _「お前が最初から一緒にいたのは、オレだァ。
    まんまと 騙されてたな…クク」

  _「だからあいつは、ただの人形だ。」

 
  やっと状況がつかめた。

  _「…囮か?
    そしてあの髪も、ヅラか?」

  _「そうだ。よく分かったな。大した殺し屋だ、お前は。
    こんな状況でことを把握すんのは、時間がかかることだぜ…」


 
  隙を 見つけたり。

  _「あと、お前の…感覚も鈍ったな…!」


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