ペルソナ3
1791話
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てるの?」
「以前ちょっと月光館学園に行った時にな」
「……妙な真似をしてないでしょうね?」
何故かジト目でこちらを見てくるゆかり。
信用ないな。
「別に何も妙な事はしてないから、気にするな。ただ、ちょっとボクシング部の練習場の近くに行ったら、2月なのに建物の外に何人も人がいてな。それでちょっと興味深いと思っただけだ」
「なら、いいけど。……けど、真田先輩か。色々と難しいわね」
「難しい?」
「ええ。アクセルも見たでしょうけど、真田先輩にはファンが多いのよ。そんな中で、影時間一緒に行動するという関係から、私と真田先輩が話しているのを他の人が見れば、どうなると思う?」
「あー……なるほど」
ボクシング部の練習を見ていた者達の中には、女も多かった。
つまり、真田という人物は一種のアイドル……という言い方はちょっと違っているかもしれないが、憧れの存在なのだろう。
そんな人物と特定の女が仲良く話しているのを見れば、そのファンにゆかりは陰険な攻撃をされる可能性すらある。
「ただでさえ、今の私は誰かさんのせいでいらない注目を浴びてるのよ? そこに真田先輩が加わったら、手が付けられなくなるわ」
「……そんなものか?」
「はぁ。そんなものなのよ、誰かさん。それに……」
「それに?」
「いえ、何でもないわ。それで、もう1人は誰なの? そっちが有名な人でなければ、仲間に引き込んでもいいと思うけど」
一縷の望みといった様子で告げてくるゆかりだったが、俺がゆかりに返したのは首を横に振るという行為だ。
「残念ながら、そっちも有名人だな。いや、寧ろ真田とかいう男より、そっちの方がよっぽど有名人だと言ってもいい」
「……誰?」
一瞬の沈黙の後、ゆかりが言葉を続ける。
あー……これは……
そう思わないでもなかったが、ここまで口にしてしまった以上、ここで話を誤魔化すような真似が出来る筈もないか。
「桐条美鶴」
ヒクリ、と。
ゆかり本人はその名前を聞いても表情を変えないように頑張っているのだと分かったが、それでも今の様子を見る限り、完全に成功しているとは言えない。
「で、そっちも当然駄目なのか?」
「そうね。桐条先輩は色々と有名人だもの。それこそ、ファンの数では真田先輩よりも上なんじゃないかしら。そんな人と一緒にいるところを見られるのは、絶対に避けたいわね」
「お前本人も、桐条美鶴という女に対して何か思うところがあるんじゃないのか?」
「……」
俺のその疑問に、ゆかりは返事をしない。
ただ、無言を返してくるだけだ。
ゆかりの性格を考えれば、それこそこれ以上何を聞いても意味がないだろうというのは、容易に想像出来る。
小さく溜息を吐く。
「ゆかりの事は
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