634部分:第四十九話 馬岱、真名を言うのことその五
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第四十九話 馬岱、真名を言うのことその五
「それにその剣はだ」
「何かあると聞いているのだ」
「ええ、そうよ」
その通りだとだ。神楽が話すのだった。
「劉備さんの剣には間違いなく。この国を救うだけの力があるわ」
「この国をとなると」
「やっぱりそうしないといけないのだ」
こう言う妹二人であった。そうしてなのだった。
一行はあらためて南蛮に向かうことにした。その五つの谷を越えようというのである。まずは最初の谷に入ったのだった。
谷には橋があった。しかしだった。
「これは」
「まずいな」
趙雲と馬超が暗い顔になって述べる。
「あちこち壊れてるな」
「ここを渡るとなると」
木と縄の吊り橋だった。しかしそのあちこちが切れかけていたり壊れていたりしている。渡るにしては極めて危険な場所であった。
それを見てだ。二人は話すのだった。
「渡るにはだ」
「これは用心しないとな」
「はい。ここはですね」
「まずは鈴々ちゃんか蒲公英ちゃんに先に渡ってもらって」
「んっ?何なのだ?」
「何かあるの?」
張飛と馬岱は公明と鳳統の言葉に香を向けた。
「鈴々が先に渡るのだ」
「それで何かあるの?」
「はい、皆で命綱をしてです」
「それで先に身のこなしのいい二人に行ってもらって」
これが彼女達の考えであった。
「そのうえで安全に渡ろうと」
「それでどうでしょうか」
「いい考えね」
黄忠がその案に賛成した。
「それじゃそれでいったらどうかしら」
「はい、それじゃあ」
「二人はそれでいいでしょうか」
「何の問題もないのだ」
「喜んで行かせてもらうよ」
張飛と馬岱は快く引き受ける。そうしてであった。
命綱をした二人が先に行きそのうえで一人ずつ渡る。そうして最初の谷を越えるのだった。
その時にだ。魏延は最後に渡ろうとする劉備の傍にいた。そのうえで彼女に話すのだった。
「では参りましょう」
「はい、それじゃあ」
「何でしたら」
その劉備を護るようにしての言葉だった。
「私がこの手に持って」
「魏延さんがですか」
「お任せ下さい」
真剣な顔で言う魏延だった。
「私はこれでも力がありますから」
「それ幾ら何でも」
「お気遣いなく。それでは」
魏延は実際に劉備を抱えてそれで橋を渡った。彼女はここでも劉備を護るのだった。
それを見てだ。関羽が唸るのだった。
「本当に見事だな」
「そうね。あそこまで桃香さんに尽くすなんて」
「忠誠心は本物だな」
「それ以上のものも強いけれど」
「確かにな」
こうしたことに今一つ疎い関羽にもわかることだった。
「あそこまで露骨だとな」
「困ったことね」
「全くだ。だが」
それでもなのだった。関羽は納得するし
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