58座古ちゃんだいしゅき
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どこかのホテルにある会議室
妖狐の各家、自衛隊、警察などの担当官も集められ、中立で盗聴もされない比較的清潔な会議室が借りられ、非公式な会合が行われていた。
佐祐理の母も倉田家当主として出席、昼からの会議の中、爺やも呼ばれて「昨日から今朝までの情報」を証言をしていた。
「以上のように、災厄の側にいらっしゃる、故人である倉田一弥氏からの証言により、災厄の中心である天使の人形は、この地で天孫降臨の儀式を行い、生死不明の月宮あゆ嬢を復活させるために活動しています。犠牲、生贄となる人物は数少ない聖人や良き人を除く全員。昨夜のように月宮からの術者、傭兵、やくざ者などは全て老人のように処理され、忌み子川澄舞が放った使い魔が憑いた手勢によって一人残らず材料に変えられます」
倉田家からは公表されなかったが、前当主は月宮の侵攻部隊を葬り去った「オカッパの化け物」である美坂栞によって廃人同然にされ、佐祐理の母が当主の座を継いで来ているのは周知の事実だった。
どの家であろうと、たったひとりの「夜の使い魔」に対抗することもできない。歯向かえば大きい犠牲を払うことになる。
それ以上の存在でも有る、昨日から今日の時点での「仮のイザナミ川澄舞」に手出しすれば、妖狐の家どころか都市まで破壊され、秋子に手出しすれば北海道全土か国土が脅かされる。
「特に敬天会の皆様にはご自重頂けますように」
爺やからの報告は、自衛隊の一部組織への嫌味で終了した。現人神で降臨した天孫、悪鬼羅刹で荒ぶる神々に鉛玉や爆薬が通じると思い込んでいた組織への警告である。
速報として、太陽の横に空間の裂け目、木星の横にも同様の現象が報告されてしまい、欧米では「巨大な裂け目」「宇宙の終わり」として報道が始められていた。
「そのような危険な人物は、一刻も早く逮捕拘束されるべきである」
「ですから、そんな事は不可能なのですっ! 外見が人間だから鉄砲が通じると思い込むのは止めなさいっ、相手は神なのですよっ」
一弥の知人で天使の人形側と思われる、爺やに意見は求められていなかったが、それでも口出しして、神に不遜な態度を取って秋子を殺害しようとして、国家の経済が破綻寸前なのを思い出させる。
「ああ、爺やさん、このオッサンも敬天会ですから、言っても無駄ですよ」
そこでホテル従業員に成り済まして潜入していた座古ちゃんが爺やに話し掛け、目の前の自衛官幹部のオッサンが敬天会メンバーで、純血の妖狐に砲弾が通じると思って攻撃させた本人だと告げ口してやる。
「敬天会……」
こんな会合にまで敬天会が常駐し、相手側にまで会話が筒抜けだったと知って、ざわめき始める会議室。
「な、何を証拠に」
座古ちゃんはオッサンのポケットから、血判状のコピーを取り出して、敬天会の名簿でも有る紙を
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