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レーヴァティン
第十六話 あらためてその十二

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「俺は浅尾美和さんだ」
「ビーチバレーの人か」
「背が高くて日焼けしている肌の人が好きでな」
 これが智の好みだというのだ。
「だからな」
「それでか」
「浅尾美和さん好きなんだよ」
「それが自分の好みか」
「好みはそれぞれだな」
「本当にそうだな」
 久志も智の言葉に頷く。
「まあ俺他にも好きなタイプ多いけれどな」
「そうなのか」
「ああ、柏木さん以外に小嶋陽菜さんも好きだよ」
 この人もというのだ。
「大島優子さんもな」
「基本スタイルいい人か」
「そうだな、全体のバランスが取れててな」
「胸は大きめというか形か」
「形のいい人が好きだな」
 胸についてはだ。
「色白系でな、肌は」
「じゃあ白石麻衣もか」
「実際にあの人も好きだよ」
「やっぱりそうか」
「アジア系の人が好きなんだよ、だからな」
 久志はここで困った顔で言った。
「この島白人の人ばかりだろ」
「俺達以外はな」
「それが」
 どうにもという顔で言い続ける。
「困ってるんだよ」
「白人の人でもいいだろ」
「ああ、けれど何かと違うだろ」
「何が何かとなんだ?」
「だから何かとだよ、肌触りとか匂いとかな」
 実に直接的な言葉だった。
「顔立ちとか髪の毛の色とか」
「御前はアジア系好きなんだな」
「特に日本人の感じだな」
「日本のアイドルだな」
「そうだよ、そうした感じが好きだよ」
 まさにというのだ。
「俺達もか」
「そうか、俺は別にな」 
 智はというと。
「そうした店でもな」
「別にいいか」
「ああ、構わないぜ」 
 白人の女性でもというのだ。
「楽しんでるぜ」
「そうか、楽しんでるか」
「ああ、それで現実の世界だとな」
 彼等の本来の世界ではというと。
「黒人の娘とも付き合ってたぜ」
「全人種制覇か」
 白人、黒人、黄色人でだ。尚アボロジニーは別人種に区分されることもある。
「そうなんだな」
「ああ、どの娘もよかったぜ」
「というか誰でもいいのか?」
「好きになった娘ならな」 
 智は久志に悪びれず笑って返した。
「実際にな」
「誰でもいいか」
「そうなんだよ、だからな」
「黒人の娘ともか」
「付き合ってな」
「よかったんだな」
「褐色の肌の艶も張りもな」
 その両方を話すのだった。
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