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実は丸わかり
第一章
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ーラが違うから」
「好きオーラ全開でいつも来るから」
「あれでわからない奴いないって」
「そうよね」
 彼等もこうだった。そしてだ。
 職員室でもだ。二人のクラスの担任の先生達がだ。やれやれといった顔で話していた。
「井上君って絶対にですよね」
「うん、うちのクラスの村中にね」
「べた惚れですよね」
「伊倉先生も気付いてますよね」
「はい、わかります」
 年配の女の先生だ。徹のクラスの担任である。
 その伊倉先生がだ。理絵のクラスの担任の白髪の男の先生である桶谷先生にだ。苦笑いでお茶を飲みながら言うのだった。
「毎日そちらのクラスに言ってるの見ますし」
「うちの学校は不純異性交遊は駄目だけれどね」
「普通の健全な恋愛はいいですからね」
「だから普通にやっていいんだけれどね」
「彼は普通じゃないですよね」
「ある意味で」
 見てるだけというのもだ。普通ではないというのだ。
 それで桶谷先生は自分の席、先生のそれらしく教科書やファイルや教育指導綱領等が置かれているその机の上でだ。こう言うのだった。
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