第4章:日常と非日常
第121話「片鱗」
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違いない。でも、女性の体になってなり切ったから生まれた訳じゃない。実際の要因は神降しよ」
「神降し…椿の因子が入ってきたからか?」
いや、第一にいくら創造魔法というレアスキルがあるとは言え、人格の創造なんて…。…待て、何かおかしい。何故気づいていなかった?創造魔法は所詮“魔法”だ。魔力がなければ使えないはず。なのに人格の創造、そして以前司を助ける時に行った英霊化に、魔力は使っていない…!
「…本当に気づいてなかったんだね。…私は創られた人格とはいえ、れっきとした“貴方そのもの”なの。ただ、“女性だったら”と言う可能性を持った…ね」
「可能性…?それと、神降しになんの関係が…」
「種類や法則が違うとはいえ、神の力に触れたから…って言うのが切欠だと思ってるわ。…私も、先日のあの人形の力に触れたから気づけたのだけど」
「待ってくれ。理解が及ばない」
何か、何かを見落としているのか…?
それに、“人形”?こいつは、あの男の正体が判っているのか…?
…本当に、僕のもう一つの人格なのか…?
「……何にも思い出せていないのね」
「なんの事だ…?」
「いえ、まだその時じゃないだけよ。…ここまでにしましょう。この対話は今回限り。だけど、貴方が“気づいた”…もしくは“思い出した”のなら、もう一度この場を設けるかもね。…まぁ、必要がなくなってるかもしれないけど」
「待て、話が見えない……!」
続きを聞こうとしても、意識が薄れていく。…目を覚ますのだろう。
それを眺めながら、“優奈”は少し微笑んだ。
「…本当に、“人間”は凄いよね。私や貴方自身がそうなったから良く分かったけど…うん。今度は、全部わかった状態で話をしたいな。…じゃあ、またね。“優輝”」
「っ…………!」
意味深な事を呟いたのを聞いて……僕は、目を覚ました。
「志導優輝!お前に…決闘を申し込む!」
「……………」
…あまりに唐突な、織崎のその言葉に、私は顔が引きつるのを隠せなかった。
結局、あの夢での対話の真意は分からず、男に戻る事もなかった。
帝はある程度普通には戻ったけど…やっぱり以前に比べて大人しかった。
そのまま休日までズルズルと過ごして…アースラに呼ばれたと思えばこれだった。
「…なんで?」
「お前が全ての元凶だからだ!俺が勝てば、皆を元に戻してもらう!」
「……はぁ」
クロノを見れば、なんか疲れた表情をしていた。
今この場には、私以外に椿や葵、司や奏と言った魔法関連の面子に加え、アリサやすずかも来ている。…どうやら招待されたらしい。
「『…どういうことだ?』」
「『すまない。
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