第4章:日常と非日常
第121話「片鱗」
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た?」
「貴女が体の調子を確かめていた時よ」
「ほとんど最初からじゃん。…あ、今は“優輝”だよ」
…そう。私は何度か“優奈”になっていた。
なんというか…着々と“もう一人の自分”として出来上がってる気がする…。
「…大丈夫なの?」
「うーん、魔法とかを行使してると度々切り替わる感じかな。後は、以前のように成り切ったり…後は、感情が昂ったりすると切り替わるかも」
「司ちゃんとか知ってる人には伝えておいた方がよさそうだね」
「そうだね」
先日の件で色々謎も残っているのに、面倒事も増えたなぁ…。
とりあえず、今日はさっさと夕飯と風呂を済ませて寝よう。
「……………」
その日の深夜…になるのか?
僕は白い空間にいた。なんというか、靄が掛かっている感じもするが…。
「……一応、初めましてになるのかな?」
「っ…!?」
後ろから声を掛けられ、すぐさま振り向く。
…気配を感じなかった?いや、今までそこにはいなかった…!
「緋雪……じゃないな。…そうか、僕が今男の体な事から考えると…“優奈”か」
「正解。さすがは私。いやまぁ、これくらい分かってもらわないと困るけど」
そこにいたのは、緋雪にそっくりな少女。だけど雰囲気が違った。
緋雪との違いは髪留めがカチューシャかリボンの違いだな。こっちはリボンだ。
「…夢、というよりは精神の中か?」
「両方って所かな。夢の性質を利用して今のこの空間があるし」
僕は確かに普通に眠ったはずだ。
それなのにこの空間がある事から推察したが…ふむ。
「お前自身が対話したいからこうした…か?」
「人格同士が話す機会なんてこれぐらいしかないからね」
「まぁ、それもそうだな」
人格を切り離す事ができれば、憑依とか使って対話できるが…。
…って、憑依とかを前提にしてる時点でおかしいけど。
「それで、話したい事ってなんだ?」
「単純に私の事とちょっとした事かな」
「お前の事?」
「うん」
…僕や椿たちが気づいていない事でもあるのだろうか?
「私は確かに創造魔法…いや、“創造”の性質によって生まれた人格ではあるわ。志導優輝の親戚である“優奈”としてね。ここまでは貴方も知ってるでしょう?」
「ああ」
「記憶自体は共有しているけど、感性は違ったりする…のはまぁ、人格が違うから仕方ないかな」
「記憶も一部分は共有できていないけどな」
主に人格が引っ込んでいる時は、映像を靄が掛かった状態で見ているような感じで、記憶が曖昧になっている。
「ここからが本題よ。私は創造された人格…それは間
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