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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第六話 過去の歪み
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だ残っているためそこまで気にすることでもないが、鎮守府で食事が作れるのならそちらの方がいろいろと都合がいい。
すると防空棲姫が言った。

「さっき確認したけど、食堂の厨房にコンロやら冷蔵庫やらはあったわ。調理器具は見当たらなかったし、食材に至っては論外ね」
「なら、この街で調理器具と念のために食器、あと食材は買える分だけ買っていきましょう」

防空棲姫の言葉を聞いた榛名が提案してくる。それを聞いた凰香は頷いて言った。

「そうね。とりあえず当分は私達で買うけど、いずれは食材は海原少将に言えば提供してくれると思う。とりあえずその時になったら大量に要求しておこう」

凰香がそう言うと、四人が頷く。
凰香達は買える分だけのものを買ってから、鎮守府へと戻っていった。


………
……



「……鎮守府に着任してから初めての仕事が『掃除』っていうのは、なんだか微妙な気分だよね」

モップを肩に担ぎ、水の入ったバケツを手に持って部屋の中央にたつ凰香はため息混じりにそう言った。
街から戻ってきた凰香達は厨房に買ってきたものを放り込んだ後、時雨、榛名、夕立の三人は自分の艤装が弄られていないか確認しに工廠に向かい、凰香と防空棲姫はこれから仕事をするために執務室を掃除するために部屋に来ていた。まあ、防空棲姫は他の艦娘に姿を見られるわけにはいかないので、実質凰香一人で執務室を掃除するわけなのだが。
執務室は一ヶ月以上放置されているため、汚れはかなり酷い。さらに艦娘達が憂さ晴らしにいろいろと物品を破壊しているためそのガラクタも多い。おまけに執務室の広さはちょっとした倉庫ほどである。
はっきり言ってめんどくさい。だが、旧泊地と比べればこちらの方が圧倒的に楽だ。
旧泊地のときは全建物の掃除だけで半年、あの露天風呂を造るだけでも一年くらいかかった。凰香と防空棲姫はともかく、時雨は完成した瞬間にぶっ倒れ、そのまま一週間も死んだように眠り続けていたほどである。

「ほらほら、四の五の言ってないで早く始めちゃいましょう」

本人がやるわけではない防空棲姫がそう言ってくる。だが防空棲姫の言う通り、ここで四の五の言っていたって何も始まらない。
凰香は黒いコートのような服を脱ぎ、モップと水の入ったバケツ置いて、箒を手に取って掃除を始めようとした。

「おい」

凰香が掃除を始めようとした時、突然執務室の扉が開く。それと同時に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
凰香は振り向くことなく、床を箒で掃きながらめんどくさそうに言った。

「……何の用ですか?天龍さん」

凰香の反応に天龍が「んだと」と詰め寄ってくるが、後ろに控えていた龍田によって引き留められる。引き留められ
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