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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
第六話 過去の歪み
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好的な態度のものがほとんどだった。
鎮守府でのあの対応から見て街の人との関係は険悪なものだと思っていたのだが、どうやら違うようだ。
話を聞いてみると、一番上げられる理由としては鎮守府の近くに住むことによってそこに所属している艦娘に守ってもらえるということだ。確かに横須賀第四鎮守府の周辺も他の地域に比べて住む人が多かった。
これは鎮守府は昔風で言うところの『城』であり、艦娘達は『兵士』である。艦娘達が鎮守府を守るために戦うことで、鎮守府の周辺に住む人は間接的に艦娘に守ってもらえるのだ。
あとは頼りになる、強い、格好いい、可愛い、結婚してほしい等、主に男性による様々な意見が上がっていた。

(最後のやつは憲兵さんにでも言っておこう)

そして次に知ったのは、提督の方が蔑まれているということだった。提督と言っても全ての提督ではなく、あくまでこの状況を作り出した元凶である二代目提督だけである。
凰香が二代目提督が何をしでかしたのかを聞いてみると、『尽きることがないのか?』というほどの数々の悪行が曝け出された。
恫喝に搾取、権力をかさにした横暴な態度等々で、特に多かったのが酒癖の悪さだった。
毎日のように街に現れては提督という身分を良いことに好き勝手に酒を飲んでは店内で暴れ回る、他の客と喧嘩、店内の器物損壊を繰り返し、止めようと近づくものには軍学校で習得した武術を駆使して死人は出てはいないものの多くの市民を大怪我させていたらしい。
この横暴な行為に人々は反感を募らせていたが、暴れ回るのを諌める度に『鎮守府ごと内地に引き上げる』、『艦娘を率いて街を襲う』等と脅迫されたために強く言い出せなかったようだ。
また、泥酔の提督を迎えにきた艦娘が謝罪をして回っていたそうだが、彼女の姿が気に入らなかったのか、人々の目の前で提督による艦娘への暴行が行われることも少なくなかったようだ。しかも、その際暴行を加えられる艦娘は決まって小学生や中学生くらいの少女……駆逐艦や軽巡の艦娘だったようだ。
この話を聞いていた凰香は自分でもわかるほど不機嫌な表情になっていた。
凰香だけではない。時雨は嫌悪に満ちた表情に、榛名と夕立は二代目提督の知られざる悪業に唖然とし、防空棲姫に至っては額に青筋を浮かべ全身が赤いオーラに包まれていた。艦娘達の敵である深海棲艦の彼女でも、二代目提督の悪業は許し難いのだろう。

「……っと、悪いなお嬢ちゃん達。こんな嫌な話を聞かせちまってよ」

朝食兼昼食を食べていた大衆食堂の店主が申し訳なさそうに言ってくる。
凰香は作り笑いを浮かべながら店主に言った。

「いえ、貴重なお話をありがとうございました。……ところで、二代目提督がいたということは『初代提督』もいたということですよね?その方はど
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